童磨の過去は親に祭り上げられた教祖！歪んだ幼少期が鬼へと最適化

いつも穏やかな笑みを浮かべ、誰にでも優しく振る舞う上弦の弐に・童磨どうま。

しかし表面上の優しさとは裏腹に、童磨は人の気持ちなど全く理解せぬ残酷極まりない鬼です。

人間だった童魔は二十歳で無惨に出会い、自ら願い出て鬼にしてもらっています。

童磨のこの恐ろしく狂った感覚は、人間時代の歪んだ幼少期に原因がありました。

宗教団体の教祖をする両親のもとに生まれた童磨は、幼い頃から「神の子」として崇められて育っていたのです。

この記事では、童磨という冷酷な鬼の誕生に大きく影響する、歪んだ過去について解説しています。

「神の子」と祭り上げられた童磨の幼少期

鬼滅の刃16巻©吾峠呼世晴/集英社　より引用

童磨が人間として生まれた環境は、かなり特殊なものでした。

万世極楽教ばんせいごくらくきょうの教祖の両親のもとに、一人息子として生を受けたのが童磨の不幸の始まりです。

生まれたときから珍しい白みを帯びた茶色の髪に、輝くように美しい瞳をしていた童磨。

教祖の両親によって童磨は「神の子」に祭り上げられたのです。

万世極楽教とは童磨の両親が作った宗教団体で、その馬鹿げた理念は以下の通り。

こんな都合の良い信仰にすがる大人達の姿は、子供の童磨から見ても実に滑稽に思えました。

鬼滅の刃16巻©吾峠呼世晴/集英社　より引用

賢い童磨は幼いにながらも「極楽などない」と知っていたのです。

にも関わらず、童磨に救いを求める大人は、途切れることなく毎日やってきます。

ひな壇の上に座らされ、面白くもない大人達の不幸な身の上話を聞かされる日々。

「どうか極楽へ導いてください」と祈りすがる大人達を、童磨は頭が悪くて気の毒だと心底思いました。

優しい性格だった童磨は、可哀想な大人達に合わせて「神の子」を演じてあげていたのです。

鬼滅の刃16巻©吾峠呼世晴/集英社　より引用

やがて童磨は「馬鹿な大人を救済する」ことを、自分の使命だと思うようになっていきました。

人格を形成する上で最も大切な幼少期を、親の勝手な思い込みで教祖に祭り上げられた童磨。

童磨は無意識のうちに自分の本当の感情を押し殺し、やがで自分の心の声が全く聞こえなくなりました。

そしていつしか、童磨は何の感情も持たない「冷たい氷のような心」を持つようになってしまったのです。

鬼滅の刃19巻©吾峠呼世晴/集英社　より引用

ある日のこと幼い童磨は、浮気を繰り返す父親を母親が包丁で滅多刺しにするのを目にします。

そして父親を殺した後、今度は気が触れた母親が毒を飲んで自殺しました。

目の前で惨劇が繰り広げられているにも関わらず、童磨は泣くことも叫ぶこともありませんでした。

苦しや悲しみといった感情は一切なく、童磨はただこう思ったのです。

こんなにも無感情な子供に童磨が育ったのは、目の前に横たわる両親のせいに他なりません。

そんな親から解放された後も、童磨は万世極楽教の教祖を続けていったのです。

童磨は自ら鬼になることを希望した狂人

童磨は人として当たり前に感じる、喜びや悲しみを感じられないままに大人になります。

相変わらず極楽を夢見る哀れな人を相手にする退屈な日々。

そんな変わらぬ毎日の中で、思いがけない衝撃的な出会いがありました。

その出会いとは、鬼の始祖・鬼舞辻無惨きぶつじむざん。

鬼滅の刃23巻©吾峠呼世晴/集英社　より引用

万世極楽教の教祖でありながら、神も仏も信じていなかった童磨は、鬼が存在したことに驚いたのです。

日頃は無感情な童磨ですが、本物の鬼の無惨を目にして震えるような感動を覚えました。

こともあろうか童磨は自ら鬼となることを願い出て、無惨から大量の血を分けてもらいます。

鬼滅の刃16巻©吾峠呼世晴/集英社　より引用

このとき無惨は、鬼になりたいという童磨に何の期待もしていませんでした。

というのも、何にも執着がなく湧き出るような渇望もない童磨は、強い鬼になれると思っていなかったからです。

しかしその期待は、大きく外れます。

童磨は異例のスピードで、上弦の弐にの地位に上り詰めました。

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どの鬼にも人間だった過去があり、その人生や鬼となった経緯は実に様々です。

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鬼となった童磨が上弦の弐まで上り詰めた秘密

鬼滅の刃16巻©吾峠呼世晴/集英社　より引用

鬼となっても童磨は、万世極楽教の教祖を続けました。

それは若くて栄養価のある女を食べる上で、うってつけの環境だったからです。

次から次へと悩みを抱えた女性が、頼みもしないのに門を叩いて飛び込んできます。

童磨はそんな哀れな女性達を、「救済」と称して骨まで綺麗に食べ続けました。

女を好んで食らうことで急速に強くなった

鬼滅の刃18巻©吾峠呼世晴/集英社　より引用

鬼の力は食べた人間の数に比例します。

特に女は腹に子供を宿すほどに栄養価が高いため、食べると早く強くなれるのです。

極楽教の教祖として、童磨の食べた女はそれは恐ろしい数でした。

苦しみから逃れたくて、極楽教の門をくぐる女は絶えません。

そんな哀れな女達を童磨は救済と称して貪り続け、急速に鬼としての強さも手に入れることになったのです。

その犠牲となった一人に、伊之助の母親・琴葉ことはがいました。

童磨は伊之助の母・琴葉を殺して食べていた

伊之助は山で猪に育てられていますが、実は母親と死に別れていたのです。

伊之助の母親の名前は、嘴平琴葉はしびらことは。

伊之助にそっくりな美しい顔立ちをした、とても優しく心の清らかな女性でした。

はじまりは琴葉の命の恩人から

鬼滅の刃18巻©吾峠呼世晴/集英社　より引用

琴葉の結婚生活は不幸そのもので、夫に殴られ、姑にいびられる苦しい毎日。

ある日のこと、「鳴き声がうるさい」と言って生まれたばかりの伊之助を夫が激しく揺さぶりました。

琴葉は夫に噛みつき伊之助を胸に抱き、雪の降る寒い夜に裸足で家を飛び出します。

そして助けを求めて門を叩いたのが、童磨の万世極楽教のお寺だったのです。

鬼だとバレて信頼関係が崩れ去る

鬼滅の刃18巻©吾峠呼世晴/集英社　より引用

顔が腫れ上がり、殴られて片目が失明していた琴葉を、童磨は手当して保護します。

女に卑しい童磨ですが、琴葉の清らかな心を気に入り、食べずに寿命が尽きるまで生かすつもりでした。

しかしある日のこと、琴葉は童磨が信者を貪り食べる姿を見てしまったのです。

童磨は「自分の行いで苦しむ人は救われる」と説明しますが、琴葉に通用するはずもありません。

琴葉は童磨を「嘘つき！」「酷い！」と罵り、伊之助を抱いて寺を飛び出しました。

童磨が鬼だとわかった以上、次に狙われるのは琴葉と伊之助です。

琴葉は伊之助を抱いて、助けを求めに人里に向かって走りました。

親子を引き裂く冷酷な鬼・童磨

鬼滅の刃18巻©吾峠呼世晴/集英社　より引用

琴葉を始末しないと、童磨が鬼であることが知れ渡ってしまいます。

そうすれば、極楽教に信者が集まらなくなり、今までのように簡単に女を食えなくなるのは不都合。

暗闇の中で自分から逃げる琴葉を、童磨は崖っぷちまで追い込みました。

逃げ場を失った琴葉は、伊之助だけでも助けようと覚悟を決めます。

崖の上から我が子を泣きながら川に落としたのです。

崖から落とされた赤ん坊だった伊之助は、そのまま川に流されていきました。

その直後、琴葉は童磨に殺され、骨まで残らず綺麗に食べらたのです。

上弦の陸ろくから弐にへと成り上がる童磨

鬼となった童磨は、栄養価の高い女を食べることで瞬く間に上弦の陸ろくに成り上がります。

当時の童磨は信者の女に飽き足らず、若くて美しい女性が売り買いされる遊郭にも度々出向いていました。

殺めた遊女の首を片手に、人気のない遊郭を歩いていたところ、死にかけた兄妹に出会います。

兄は背中に深い傷を負いながら、全身丸焦げになった妹を背負うように地面にうずくまっていました。

上弦の陸ろくだった童磨が妓夫太郎と堕姫の生みの親

鬼滅の刃11巻©吾峠呼世晴/集英社　より引用

今にも息が絶えそうな哀れな兄妹に近づいた童磨は、事もあろうか「鬼にする」ことで救済しようとします。

一見、優しさとも取れる童磨の勧誘は、まさに悪魔の誘い。

童磨は己の体を通して鬼の始祖・鬼舞辻無惨の血を、この死にかけた兄妹に分け与えました。

その血を受け入れることは、人間ではなくなり、人の血肉を欲する鬼になるということ。

鬼滅の刃11巻©吾峠呼世晴/集英社　より引用

上弦の鬼は唯一、人間に鬼になることへの勧誘を認められています。

無惨に鬼を増やす意志を伝えると、上弦の鬼に流れる血が無惨の血に変化するのです。

血を与えられた人間は、鬼舞辻無惨に認められれば鬼となることが可能。

しかし血に耐えられない場合、たちどころに体の細胞が破壊して死に至ります。

この時、童磨の目の前で死にかけていた兄妹は、後に上弦の陸ろくになる妓夫太郎ぎゅうたろうと堕姫だきだったのです。

妓夫太郎と堕姫が上弦の陸まで上り詰める

鬼滅の刃10巻©吾峠呼世晴/集英社　より引用

童磨によって鬼となった妓夫太郎と堕姫は、その後は遊郭を根城にして力をつけていきます。

幸せそうな人間を恨み、妬む心が、この兄妹を残酷な鬼としての成長を助長しました。

二人の兄妹は多くの人間を殺しては食べ、ついには上弦の陸にまで上り詰めたのです。

一方、妓夫太郎と堕姫を鬼にした童磨はその後も女を食べ続け、上弦の弐まで駆け上がっていきました。

堕姫と妓夫太郎の想像を絶する悲しい生い立ちは、別の記事で詳しく解説しています。合わせてご覧ください。
妓夫太郎と堕姫の悲しい過去！深すぎる兄妹愛と歪んだ価値観

上弦の弐を入れ替わりの血戦で勝ち取る

鬼滅の刃12巻©吾峠呼世晴/集英社　より引用

鬼舞辻無惨の直下に配置される、最強の鬼12体を十二鬼月じゅうにきづきと呼びます。

十二鬼月は上弦・下弦にそれぞれ６体おり、上弦の壱が最強で下弦の陸が最も弱い鬼です。

その明確な序列は、力の強さで決まっています。

十二鬼月の中で順位をあげるには、自分より格上の鬼に「入れ替わりの血戦けっせん」を申し込むのが掟。

鬼滅の刃12巻©吾峠呼世晴/集英社　より引用

上弦の陸ろくだった童磨は、当時の上弦の弐にを倒して、その地位を勝ち取っています。

童磨の発言は常に挑発的で、相手を見下した物言いをします。

しかし正々堂々と戦って勝ち取った童磨は、それだけのことを言うに値する実力者だったのです。

幼少期に心を失い鬼へ最適化した童磨

強い鬼になるためには、何かに対する異常なまでの執着心や渇望が不可欠。

その極端なまでの負の感情は残酷非道な鬼の資質となるからです。

しかし何事にも頓着しない童磨が、上弦の弐まで上り詰めることができたのは人間時代の環境でした。

鬼滅の刃18巻©吾峠呼世晴/集英社　より引用

幼い頃から子供らしく遊ぶこともせず、親の期待に応えて神として振舞う童磨。

その親を思う優しさが仇となり、いつしか人間としての心を失ってしまいました。

悲しみも喜びも一切感じることがない、「氷のように冷たい心」になっていったのです。

これこそが童磨を上弦の弐まで出世させた「鬼への最適化」でした。

鬼滅の刃19巻©吾峠呼世晴/集英社　より引用

氷の様に冷たく何も感じない童磨は、よりによって無惨の存在に感動し、自ら望んで鬼になってしまったのです。

童磨の冷たい心は残酷さを帯び、悩み苦しむ女性を「救済」と称して貪り続けます。

その血肉を我が血とした童磨、血鬼術で凍るほど冷たい霧にして振りまき、吸った者の肺を壊死させます。

さらには氷の凶器に変え、相手を切り裂きました。

鬼滅の刃18巻©吾峠呼世晴/集英社　より引用

鬼となり、金も地位も女もほしいままになりましたが、何一つ感じられない童磨。

嬉しくもない、楽しくもない、悲しくも辛くもない。

童磨は密かに心のどこかで、自分は生まれてきた意味なんてないと思っていたのです。

人間なら誰しも感じるごく普通の感情を、実は童磨も体験したかった。

それは人間時代の幼い頃に、童磨が自分で感情を押し殺し続けた悲しい結果です。

万世極楽教などという馬鹿げた宗教を作り、子供を利用した両親。それこそが童磨という不幸な鬼を作った元凶でした。

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