妓夫太郎と堕姫の悲しい過去!深すぎる兄妹愛と歪んだ価値観

息を呑むような美しい花魁おいらん蕨姫わらびひめ

その正体は世にも恐ろしい冷酷な鬼、上弦じょうげんろく堕姫だきでした。

上弦に君臨するほどの堕姫が強い理由は、常に一心同体の兄・妓夫太郎ぎゅうたろうの存在にありました。

妓夫太郎と堕姫は、人間だったころから深い絆で結ばれた兄妹。

その昔、二人が人として生まれ落ちた場所は、男女の欲が渦巻く「吉原・遊郭ゆうかく」でした。

「女の美貌こそが全て」という狂った世界の最下層で、這いつくばうように格差と戦いながら生きていた二人。

この記事では、上弦の陸・妓夫太郎と堕姫が鬼にならずにはいられなかった悲しい過去を紹介します。

互いを思う深い兄妹愛があったからこそ、二人が鬼になる以外の道がなかったことが理解できるはずです。

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堕姫と妓夫太郎の過去は深い絆で結ばれた兄妹

きらびやかな夜の世界「遊郭ゆうかく花街はなまち」で、際立った美しさを誇る花魁おいらん蕨姫わらびひめ」。

花魁とは遊女の中でも最高峰、店の主人も客さえも言いなりになる特別な存在です。

そんな高嶺の花である花魁おいらん蕨姫わらびひめの正体は、残酷な鬼・堕姫だきでした。

しかも堕姫は上弦じょうげんろくに君臨するほどの強い鬼。

それほどまでに堕姫の強い理由は、常に体の中に潜む兄・妓夫太郎ぎゅうたろうの存在にありました。

兄の妓夫太郎が堕姫の体から出てきたとき、二人の真の強さが発揮されます。

実は、このように妓夫太郎と堕姫が一心同体の鬼となったのには、人間時代の悲しい過去が由来しています。

コンプレックスの塊だった兄・妓夫太郎

妓夫太郎の名前の由来は遊郭の役職の名前だった

鬼滅の刃10巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用

妓夫太郎ぎゅうたろうの人間時代の名前も、妓夫太郎です。

妓夫ぎゆうとは、遊郭で客の呼び込みや集金をする役職の者を表す言葉。

このような『卑しい職業名』を名前にされるほど、妓夫太郎は生まれながらに母親から疎まれていました。

妓夫太郎が生まれたのは、吉原・遊郭の最下層である羅生門河岸らしょうもんがし

それは母親が生まれてくる我が子でさえも愛せなくなるほど、人の心がすさむ貧しく惨めな場所です。

吉原の遊郭の最下層で生まれた妓夫太郎

鬼滅の刃11巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用

みすぼらしい長屋の一角で暮らしながら、格安で客引きをする遊女の母。

子供なんて飯代がかかる邪魔な生き物でしかない』

妓夫太郎が実の母親に与えられたのは、邪魔者扱いと命さえも奪われかねない暴力だけでした。

罵詈雑言を浴びる日々の妓夫太郎

鬼滅の刃11巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用

食べ物もろくに与えられず、やせ細った上にノミがわいた体。

人からは生まれつきの容姿を醜いと罵られ、汚いもののように忌み嫌われる。

『虫けら』『ぼんくら』『のろま』『ふぬけ』『役立たず』

人の心を踏みじるための言葉は、全て自分のために作られたかのように感じる日々を妓夫太郎は送っていました。

そんなどん底の妓夫太郎の人生に大きな転機が訪れます。

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孤独だった妓夫太郎を救った妹・梅

梅の誕生で人生が変わる妓夫太郎

鬼滅の刃11巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用

底辺の暮らしを強いられ、さらには醜い容姿を罵られる悪夢のような日々。

そんな真っ暗な妓夫太郎の人生に、一筋のまばゆい光が差し込みます。

それは血を分けた妹・うめの誕生でした。

「梅」とは遊女であった母親が患っていた病気「梅毒ばいどく」から付けた名前。

梅毒とは、江戸時代の遊女を苦しめた最も恐ろしい病気です。

身体中にしこりができ、鼻が削げ、遊女の命である美貌を奪いとって死に至らしめます。

よりによってそんな醜い病気の名前を、母親は自分の娘・梅につけたのです。

肩を寄せ合って生きる梅と妓夫太郎

鬼滅の刃11巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用

赤ん坊のころから何度となく母親の暴力を受ける梅。

しかし兄の妓夫太郎にとって、梅は天から与えれたたった一人の愛しい妹。

妓夫太郎は体を張って、母親の暴力から梅をかばい守り続けました。

俺たちは二人なら最強だ。 寒いのも腹ペコなのも全然へっちゃら。約束する。ずっと一緒だ、絶対離れない。 ほらもう何も怖くないだろ?

梅はいつも自分を守ってくれる兄を慕って付いて回る「お兄ちゃんっ子」に育ちます。

妓夫太郎もそんな妹の梅が可愛くて仕方がありません。

食べるものも、寝る場所もない妓夫太郎と梅は、いつも二人で身を寄せ合って必死に生きていました。

美しく成長した梅は妓夫太郎の誇りに

美少女に成長した梅

鬼滅の刃11巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用

やがて、梅は大人でさえも一目で心を奪われる、美しい少女に成長しました。

道を歩いているだけで男に声をかけられ、笑いかけるだけで物を貰える。

その美しさから梅は「白梅ちゃん」と親しまれ、花街で評判になります。

一方、容姿に劣等感がある兄の妓夫太郎ですが、誰もが美しいと絶賛する妹・梅を心から自慢に思います。

妓夫太郎は妬むどころか、自分の容姿に対する劣等感さえもなくなっていったのです。

取り立ての仕事で自分に自信を持つ妓夫太郎

鬼滅の刃11巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用

劣等感から解放された妓夫太郎は、自分の喧嘩の才能に気がつきます。

そこで取り立ての仕事を始めたところ、誰もが妓夫太郎を気味悪がり恐れるようになったのです。

自分の容姿が醜さが、人を恐れさせて言いなりにさせる

それはかつて妓夫太郎の劣等感の原因だった醜さが、誇りに変わった瞬間でした。

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狂った世界でのし上がる兄妹

色と金が渦巻いた狂った世界「吉原」で、這うように生きてきた妓夫太郎と梅。

それが梅が並み外れて美しく成長したことで、妓夫太郎と梅の人生が変わり始めます。

花街で評判の美しい妹と、世にも恐ろしい取り立て屋の兄

どちらも一目置かれ、今までのように食べ物に困ることなどなくなったのです。

遊郭で生き抜く梅と妓夫太郎

鬼滅の刃11巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用

二人で一緒に頑張れば、この狂気の世界でのし上がれる!

今まで自分たちを虫けらのごとく扱ってきた大人たちを見返してやる。

そして、これまで奪われてきた人間としての幸せを、ようやく刈り取ることができる。

しかし、妓夫太郎と梅の人生が良い方に加速し始めた矢先、思いがけない悲劇が起きます。

深すぎる兄妹愛が招いた悲劇!

ある夜、妓夫太郎が仕事から帰ってくると、目を疑うような光景がそこにはありました。

全身丸焦げになった梅が、まるでゴミのように道の真ん中に捨てられてたのです。

あまりに酷い梅の姿に、妓夫太郎は号泣しながら駆け寄ります。

悲劇!兄への深い愛情が命取りに

丸焦げになって死にかけた梅を発見する妓夫太郎

鬼滅の刃11巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用

普段は遊女として、客の前で上手に立ち振る舞うことができた梅。

しかしこの日客としてやってきた侍は、こともあろうか梅を前にして妓夫太郎を罵りました。

兄を侮辱されて怒り狂った梅は、客の侍の片目をかんざしでついて失明させてしまったのです。

片目を失った侍は、梅の仕打ちが許せません。

非情にも梅を縛り上げ、生きたまま焼くという残酷な殺し方をしました。

丸焦げになった梅を抱きながら泣き叫ぶ妓夫太郎

鬼滅の刃11巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用

生まれてか誰からも何一つ与えられない人生で、唯一与えれた愛しい妹がなぜ奪われる?

妓夫太郎は変わり果てた梅を抱きながら、身体中から怒りをあらわに慟哭します。

やめろやめろやめろ!!俺から取り立てるな

何も与えなかったくせに取り立てやがるのか

許さねえ!!許さねえ!!

妹を奪うというのなら、神も仏も皆殺しにしてやる

梅は妓夫太郎は生きる誇りである梅を、こんなにも理不尽に奪われることに怒り狂いました。

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周りの大人は血も涙もない敵だった

片目を失った侍に切りつけられる妓夫太郎

鬼滅の刃11巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用

妓夫太郎が丸焦げになった梅を抱いて泣いていると、突然背後から片目を失った侍が切りつけてきました。

なぜなら梅を雇っていた置屋おきやの女将が、妓夫太郎も一緒に始末するよう頼んだからです。

日頃から妓夫太郎の度の過ぎた取り立てを迷惑に思っていた女将。

初めから死にかけた梅をおとりにし、妓夫太郎をおびき寄せて殺すつもりだったのです。

梅を見殺しにしただけでなく、俺までも裏切りやがった!

置屋の女将の裏切りに妓夫太郎の腹わたは煮えくり返ります。

置屋の女将の裏切りを知る妓夫太郎

鬼滅の刃11巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用

『梅は残念ですが、また別の可愛い子を紹介しますから・・・』

梅と妓夫太郎が死にかけたのをいいことに、今度は猫なで声で客の侍に金をせびる意地汚い女将。

大切な妹と自分の命を虫けらのように踏みにじるというなら、こちらも刈り取ってやる

妓夫太郎の怒りのままに飛び上がり、怪我を負った体で裏切り者の女将を鎌で切りつけて殺しました。

梅にひどい仕打ちをした侍を切り捨てる妓夫太郎

鬼滅の刃11巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用

妓夫太郎にとって、幸せを刈り取るべき相手は裏切り者の女将だけではありません。

命より大切な、たった一人の妹に酷い仕打ちをした侍からも刈り取るのは当然のこと。

生まれた時から雨風しのげる家でぬくぬくと育ち、良い着物を着て、美味し物を散々食べて、温かい布団で寝てたんだろう

そんな奴が片目を失ったくらい、なんだってんだ

妓夫太郎は片目を失った侍にも飛びかかり、鎌で切り捨て殺したのです。

自らの手で復讐を果たした妓夫太郎は、死にかけている梅を背負い夜の吉原を這いつくばります。

しかし誰一人として助けてくれる人間はいませんでした。

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唯一の味方は人間ではなく鬼だった

今にも死にそうな妓夫太郎と梅に追い打ちをかけるよう、冷たい雪まで降り始めました。

惨めったらしくここで死んでいくしかないのか?

骨まで凍りそうな夜の吉原でうずくまる二人のその前に、突然一人の男が不気味に現れました。

死にかけた妓夫太郎と梅の前に現れた童磨

鬼滅の刃11巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用

『どうしたどうした 可哀想に』

そう言いながら寄ってきた男の両手には、血まみれの遊女の体の一部が握られていました。

俺は優しいから放っておけないぜ。その娘 間も無く死ぬだろう。

お前らに血をやるよ。二人共にだ。“あの方”に選ばれれば、鬼となれる。

この運命の出会いを装った、悪魔の誘いを持ちかけたのは、当時の上弦のろく・童磨どうまでした。

童磨は男より栄養価の高い女性を好んで食べる卑しい鬼で、のちに上弦のまで成り上がる実力者です。

そして童磨の言う“あの方”とは、鬼の始祖である鬼舞辻無惨きぶつじむざんのこと。

鬼になることを選択する妓夫太郎と梅

鬼滅の刃11巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用

愛する妹も自分も死にかけている今、鬼になる以外の選択肢など妓夫太郎にはありませんでした。

喜んで鬼となり、妹と一緒に生きる

鬼となったら幸せそうな人間から、奪われてきた幸せを今度こそ刈り取ってやる。

妓夫太郎と梅はこうやって、鬼の妓夫太郎と堕姫になり変わったのです。

【合わせて読みたい!】

どの鬼にも人間だった過去があり、その人生や鬼となった経緯は実に様々です。

それぞれの鬼の驚くような過去を、別記事で詳しく紹介しています。合わせてご覧ください。

鬼舞辻無惨の過去は病気に怯える臆病者!鬼となっても変わらぬ劣等感
【鬼滅の刃】黒死牟の過去は弟・縁壱への愛憎と嫉妬まみれの転落人生
童磨の過去は親に祭り上げられた教祖!歪んだ幼少期が鬼へと最適化
猗窩座(あかざ)の過去は愛する人を守る青年!鬼への道を解説
【鬼滅の刃】上弦の肆・半天狗の過去!舌の文字は嘘つきの証
玉壺の過去は猟奇的な趣味を持つ異常者!鬼となってエスカレート

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歪んだ価値観!堕姫と妓夫太郎の人間時代の名残

堕姫と妓夫太郎は、人間だったときの過去の記憶はほとんどありません。

しかし鬼となっても人間時代の『幸せな人を許せない気持ち』が二人の心にはありました。

自分が不幸だった分は幸せな奴から取り立ててないと取り返せない

このような妓夫太郎と堕姫の歪んた価値観が強く表れる次のような人間時代の名残があります。

・過去の名前と鎌にこだわる妓夫太郎
・妓夫太郎の甘やかしと堕姫の我儘
・堕姫と妓夫太郎は常に一心同体
・堕姫の美に対する異常なまでの執着
・幸せは人から刈り取る妓夫太郎

過去の名前と鎌にこだわる妓夫太郎

妓夫太郎という名前は、心無い母親がつけた人間時代からの名前です。

妓夫ぎゆうとは、遊郭で客の呼び込みや集金をする役職の者を表す言葉。

そんな『卑しい職業名』を名前に付けられたこと自体、親から愛されていないことがよくわかります。

にもかかわらず、妓夫太郎は鬼となっても屈辱的なこの名前を名乗りました。

なぜなら妓夫太郎にとってこの名前は、人間時代に「母親から与えられた唯一のもの」だったからです。

人間時代の名前を名乗る妓夫太郎

鬼滅の刃10巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用

また妓夫太郎は人間時代から肌身離さず持っていた鎌を、鬼になっても武器として使っています。

この鎌はもともとは人間時代に拾った客の忘れ物でした。

しかし、貧しい妓夫太郎にとってただ1つの遊び道具で愛着があったもの

誰にも何も与えてもらえなかった妓夫太郎の鎌への思いが鬼になっても残っていました。

妓夫太郎の甘やかしと堕姫の我儘

醜い人間には生きる価値はないんだから、仲良くみんなで死に腐れろ

容姿の美しさで価値が決まる吉原に生まれ育った過去を持つ堕姫。

美しくさえあれば何をやっても許されるという横暴ぶりで、容赦無く人を殺します。

そんな堕姫の極めて自己中心的で我儘な性格を助長したのが、兄・妓夫太郎の甘やかしでした。

我儘な堕姫を甘やかす妓夫太郎

鬼滅の刃10巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用

人間時代から常に兄に守られ、溺愛された堕姫は鬼となってもお兄ちゃん子。

堕姫は敵に負けそうになると、子供のようにワンワン号泣し、兄の妓夫太郎に助けを求めます。

それはさながら幼い妹が兄に告げ口して、いじめっ子を退治してもらうかのようです。

人間時代の兄・妓夫太郎もそんな妹が可愛くて仕方がなく、道理など無視して妹を全力で甘やかしていました。

このような兄の溺愛が妹の我儘を助長し、鬼となってさらに非道で自分勝手な堕姫の価値観を作り上げたのです。

堕姫と妓夫太郎は常に一心同体

堕姫と妓夫太郎は人間時代から常に行動を共にしてきました。

それは信頼できる大人など、周りに一人もいなかったからです。

実の母親でさえも、命を奪われかねない敵だった二人。

信じられるのは、互いにたった一人の血を分けた兄妹だったのです。

肩を寄せ合って生きる梅と妓夫太郎

鬼滅の刃11巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用

俺たちは二人なら最強だ

寒いのも腹ペコなのも全然へっちゃら

約束する ずっと一緒だ 絶対に離れない

堕姫と妓夫太郎は鬼になっても体まで1つにして離れませんでした。

そして「二人なら最強」いうこの言葉通り、鬼として上弦の陸に登りつめるほどの実力者となりました。

一心同体の堕姫と妓夫太郎

鬼滅の刃10巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用

堕姫は強い鬼ですが、妓夫太郎ほど戦うことに長けた鬼ではありません。

人間時代から喧嘩の才能があった兄・妓夫太郎の力があったからこそ、堕姫は上弦の陸まで成り上がったのです。

二人の真の強さは、妓夫太郎が堕姫の体から出てきた時に発揮されます。

妓夫太郎は堕姫を操りながら戦える

鬼滅の刃11巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用

妓夫太郎は堕姫からなり出て二体に別れても、左目を堕姫の額に開くことができました。

妓夫太郎はこの左目からの情報を元に、堕姫の動きを完全にコントロールしながら戦えたのです。

これはまさに人間時代から身も心も一つにして、世の中の理不尽と戦った兄妹だからできた技能。

鬼となっても兄の妓夫太郎は自分より弱い妹・堕姫を守り、導いていたのです。

堕姫の美に対する異常なまでの執着

堕姫が人として生まれたのは、吉原の最も貧しい最貧層でした。

吉原「遊郭」は、女の美醜だけで勝ち負けが決まる狂った世界。

女は商品でしかなく、物と同じで売り買いされる。

不細工は飯を食う資格さえ与えられない。

ゆえに人間だった堕姫がこの狂気の世界でのし上がるには、誰よりも美しくあることが求められたのです。

美しいものしか食べない堕姫

鬼滅の刃9巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用

吉原での頂点とは遊女の最高峰、花魁になること。

花魁になればこの狂った世界の女王となり、客も店の主人も自分の奴隷となり変わります。

鬼となった堕姫は美の最高峰・花魁を仮の姿とし、美しい人間だけを食べるというこだわりがありました。


それは人間時代に「女の美しさが全て」と歪んだ価値観を刷り込まれた名残です。

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幸せは人から刈り取る妓夫太郎

人間時代の妓夫太郎は劣等感の塊でした。

貧乏な生まれに、醜い容姿、体には常にノミがわき、親からさえも愛されない。

周りの人からは汚いもののように忌み嫌われ、罵詈雑言を浴びせかけられる毎日。

自己肯定感など芽生えることなく、妓夫太郎は幸せと感じることなど一度もない人生を過ごしています。

人への妬みが原動力になる妓夫太郎

鬼滅の刃10巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用

生れながらに家庭や容姿に恵まれた人が羨ましく、妬ましい。

これは鬼となっても妓夫太郎の心を巣食い、人を殺す原動力とさえなりました。

幸せな人間が許せない。

俺たちに与えられなかった幸せを、今度は幸せな人間から奪ってやる。

妓夫太郎が抱えていた人間時代のコンプレックスが歪んた価値観を生み、鬼となっても生きる軸となったのです。

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