壺の中から這い出る、不気味な姿をした上弦の伍・玉壺。
顔は目に口があり、口に目があるアベコベな様相で、長い胴体から無数の腕が生えています。
そんな人間とかけ離れたグロテスクな容姿の玉壺は、人間時代から猟奇的な趣味を持つ異常者だったのです。
この記事では、おぞましく残忍な上弦の伍・玉壺の人間だった過去を紹介します。
また鬼となった玉壺が、過去にどれほど影響を受けているかまで解説しましょう。
人間だった玉壺の過去は異常者
鬼滅の刃13巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
見るも耐えないグロテスクな姿の上弦の伍・玉壺。
壺から這い出た胴体からは、いくつもの腕が出ており、目は口、口は目の形をした怪物です。
どの鬼も人間だった過去があるように、玉壺もまた生まれた時は人間でした。
玉壺は漁師の家に生まれだった
人間だったときの、玉壺の名前は「益魚儀(まなぎ)」。
漁師の親の元に生まれていますが、漁での事故で早くに親を亡くしています。
親の見るも無残な水死体を、目の当たりにした幼い益魚儀。
親の変わり果てた姿を見たせいで、益魚儀が気が触れたと周りの村人は思っていました。
なぜなら、益魚儀には理解しがたい猟奇的な趣味があったからです。
水死体が美しく見える狂った感性
益魚儀は動物をいたずらに殺し、違う種類の魚を縫い付けるという趣味がありました。
それは益魚儀には血生臭く、グロテクスなものを美しいと思う傾向があったからです。
周りの人は益魚儀が親の死で、気が狂ったと思っていました。
しかしそれは大きな誤解でした。
目を覆いたくなるような親の水死体を見たとき、益魚儀は「美しい」と感じたのです。
実は、益魚儀は生まれながらに異常な美意識を持っていました。
芸術家気取り!異常行動がエスカレート
鬼滅の刃12巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
益魚儀は生臭い魚の鱗や骨を壺に入れ、「これは芸術だ!」とのたまっていました。
周りの人間はそんな益魚儀を理解できず、距離を置くだけでなく忌み嫌うようになります。
しかし、益魚儀は猟奇的な殺戮行為は、動物や魚だけに止まりませんでした。
ある日のこと、益魚儀をからった子供が行方不明になりました。
実は、その子供は益魚儀の手によって殺され、壺の中に詰められてしまったのです。
殺人鬼から本物の鬼へと変貌を遂げる
益魚儀の手により、芸術の一部として残酷に殺されてしまった子供。
しかしすぐに、益魚儀の残忍極まりない悪戯は子供の親の知るところとなります。
今度は、殺された子供の親が益魚儀を二又銛でズタズタに滅多刺しにしました。
誰も益魚儀を助ける者はなく、のたれ死にするのを待つだけとなったその時です。
ゴミのように放置されていた益魚儀の目の前に、鬼の始祖・鬼舞辻無惨が現れました。
無惨はこともあろうか、死にかけた益魚儀に己の血を分け合えたのです。
こうして猟奇的な性質を持った益魚儀は、さらに残忍で醜悪な鬼の玉壺へと生まれ変わったのです。
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どの鬼にも人間だった過去があり、その人生や鬼となった経緯は実に様々です。
それぞれの鬼の驚くような過去を、別記事で詳しく紹介しています。合わせてご覧ください。
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鬼となっても過去に強い影響を受ける玉壺
「ヒョッヒョッヒョッ」と不気味に笑う上弦の伍・玉壺は、人間時代から筋金入りの異常者でした。
鬼となっても、醜悪なものを愛する狂った感性はエスカレートするばかり。
この玉壺の趣味の悪い容姿や行動、血鬼術に到るまで、人間だった過去に大きく影響されています。
己の体を改造する異常な趣味
鬼滅の刃12巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
玉壺は自分の体を、人とかけ離れた姿に改造することを趣味としています。
その結果、両目には口、口には目があるアベコベな異様な顔立ち。
また壺から出ている胴体は異様に長く、その側面から無数の腕が不気味に生え、足はありません。
しかしその見るに耐えない姿さえもが仮のものだったのです。
玉壺の本当の姿は、さらにおぞましい半魚人でした。
鬼滅の刃14巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
全身に張り巡らされたのはギラギラと輝く金剛石より硬い鱗。
体の背面にはヒレが生え、手には水かき、足はなく蛇のような胴体をしています。
あまりにグロテスクな完全体を、玉壺は「美しき姿」と自画自賛。
これは、玉壺が人間だったとき、動物や魚を解体しては繋ぎ合せる残酷な趣味がエスカレートしたもの。
鬼となり不死身の体を手に入れたため、己の体まで改造し醜悪な姿へと変貌したのです。
壺が大好きな自称・芸術家
鬼滅の刃12巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
玉壺はその名前にも「壺」が入るほどに、大の壺好き。
玉壺にとって壺とは自分の芸術性を表現した、自慢の作品に他なりません。
自身が手がけた壺を上弦のの弐・童磨にプレゼントするほどに、自分のことを芸術家を思い込んでいます。
壺を作るだけならまだ許せますが、玉壺の猟奇的な感性はそれでは飽きたりません。
人を食らっては壺の中に詰め込み、それは悪趣味なオブジェを作り上げます。
鬼滅の刃13巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
刀鍛冶5人を犠牲にして作った作品は、「鍛冶人の断末魔」です。
死に怯え、苦しむ様をありありと表現し、叫び声さえも再現できるリアルすぎる作品でした。
これは玉壺が人間だったとき、生臭い魚の鱗や骨を壺に入れては「これは芸術だ!」と言っていた過去に重なります。
狂気の作品は周囲に理解されるはずもなく、異常者だと思われた哀れな人間時代の名残です。
【芸術家としてのプライドだけは高い玉壺】
鬼滅の刃14巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
自身を芸術家とのたまう玉壺が、腹の底から嫉妬した人間がいます。
それはなんと、炭治郎の担当刀鍛冶・鋼鐵塚蛍でした。
鬼に襲われようが、全く気がつかずに刀を研ぎ続け鋼鐵塚の集中力。
そんな鋼鐵塚の常軌を逸した職人魂に、玉壺は驚きを通り越して敗北感さえ感じたのです。
「私とてこれほど集中したことはない!芸術家として負けている気がする!」
鋼鐵塚に激しく嫉妬する玉壺は、作品のレベルは下衆ですが、芸術家としてのプライドだけは高かったのでした。
子供を好んで食べる
鬼滅の刃12巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
玉壺も他の鬼と同様に、人の血肉を喰らいます。
刀鍛冶の里で、玉壺は作品のために大人の刀鍛冶を喰らいますが、味は好みではない様子。
「まずいまずい やはり山の中の刀鍛冶の肉など 食えたものではないわ」
実は、玉壺が好んで食べるのは、子供の血肉なのです。
これは玉壺が人間のだったころ、からかいにきた子供を殺して壺につめた過去に由来しています。
子供を殺したせいで、その親から殺された玉壺は、少なからず子供に恨みもあるのでしょう。
単に子供が若くて美味しいからではなく、その復讐心からも好んで食べていると考えられます。
血鬼術は魚に由来した技が多い
玉壺の血鬼術は、魚や蛸といった水生生物によって出来上がっています。
これは漁村の育ち、魚の解剖を得意とした人間時代の異常な趣味に由来してるからです。
玉壺この血鬼術の技は、壺から繰り出す醜悪な作品そのもの。1つずつ紹介しましょう。
千本針魚殺(せんぼんばりぎょさつ)
鬼滅の刃13巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
壺の中から出てきた金魚は、口から毒針を吹き矢の雨のごとく撒き散らす技です。
この針を食らうと、体が麻痺して自由を奪われます。
水獄鉢(すいごくばち)
鬼滅の刃13巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
壺の形をした粘土の高い水の中に、敵を閉じ込める技。
もがいても出ることができず、呼吸もできなくなるまさに水地獄です。
蛸壺地獄(たこつぼじごく)
鬼滅の刃14巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
壺の中から超特大のタコの足を出し、敵を締め上げる技です。
軟体であるその足は、刀をへし折るほどの威力があります。
一万滑空粘魚(いちまんかっくうねんぎょ)
鬼滅の刃14巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
複数の壺の中から、一万匹の魚を繰り出す大技です。
この粘魚は厄介なことに体液が毒でできており、皮膚から吸収すると死に至ります。
神の手(かみのて)
鬼滅の刃14巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
神の手と称するこの技は、触れたものを全て魚に変えてしまいます。
玉壺の拳に触れたら、木も土も人間さえも魚に早変わり。
自称・芸術家である自身の手を「神の手」とした厚かましい技名です。
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