猪の被り物に裸の上半身、ギザギザの二刀流で獣の呼吸を振るう嘴平伊之助。
こんなにも伊之助が野性味に溢れている理由は、強烈すぎる過去の生い立ちにありました。
訳あって母親と死別した伊之助は、幼い頃からの山育ち。
猪に育てられたにも関わらず、なぜか言葉が喋れます。
この記事では、伊之助にまつわる次の4つの疑問を徹底解説しています。
・伊之助の産みの母親は誰なのか?
・伊之助がなぜ猪に育てられたのか?
・猪に育てられた伊之助が言葉を話せるのはなぜ?
・伊之助が鬼殺隊に入ったのはなぜ?
全てにおいて型破りな伊之助ですが、その理由を知ると納得がいきます。ぜひ最後までご覧下さい。
伊之助の壮絶な過去!産みの母親との死別
鬼滅の刃4巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
山の中で猪に育てられ、親も兄弟もいないという伊之助。
しかし伊之助が人である以上、産んだ母親がいることに疑いの余地はありません。
ムキムキに鍛え抜かれたその体とは裏腹に、伊之助は女の子と見間違えるほど綺麗な顔立ちをしていました。
実は伊之助には、まるで生き写しの様に美しく優しい母親が存在していたのです。
伊之助の産みの母親・琴葉の不幸な結婚
鬼滅の刃18巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
伊之助の産みの母親の名前は、嘴平琴葉です。
暴力ばかり振るう夫と、嫁いびりをする姑に苦しめられる毎日。
そんな琴葉のつらい結婚生活の中で生まれたのが、命よりも大切な一人息子の伊之助でした。
ところがある日、「泣き声がうるさい」と言って、夫が伊之助の体を激しく揺さぶります。
伊之助を守ろうとした琴葉は、とっさに夫に噛み付き、そのまま裸足で家を飛び出したのです。
雪が降る寒い中、伊之助を抱いた琴葉の行き先は、山の中の寺院でした。
助けを求めた先はまさかの鬼の根城
鬼滅の刃18巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
着の身着のままの琴葉と伊之助をかくまってくれたのは、「極楽教」の寺院でした。
夫に殴られせいで顔は腫れ上がり、片目を失明していた琴葉。
そんな琴葉を教祖は優しく手当し、生活の面倒まで見てくれたのです。
琴葉は伊之助との幸せで平穏な日々を、ようやく手に入れることができました。
鬼滅の刃18巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
しかしこの寺院こそが、上弦の弐の鬼・童磨の根城でした。
普段は優しい教祖を装っている童磨は、その裏で信者を貪り食っていたのです。
童磨と言えば栄養価の高い女を好んで食べるのが特徴の鬼。
ところが心の綺麗な琴葉を気に入った童磨は、食べずに生かすことを決めていました。
鬼から伊之助を守った母・琴葉の最期
鬼滅の刃18巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
平穏で幸せな日々が永遠に続くかのように感じていたある日のこと、琴葉は信じられない光景を目にします。
それは血だらけになって信者を貪る「教祖」こと「鬼の童磨」の姿でした。
心から信じていた童磨が鬼だったことにショックを受けた琴葉は、罪なき人を食べる童磨を責め立てます。
そして愛する我が子を守るため、琴葉は伊之助を抱いて寺院を飛び出しました。
鬼滅の刃18巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
しかし人里を目指していたはずが道に迷い、気が付けば崖で行き止まり。
もう逃げ場がなくなった琴葉は、せめて伊之助だけでも助けようと、泣きながら伊之助を崖下に投げたのです。
そしてその直後、琴葉は追いかけてきた童磨に殺され、骨まで残らず食べられてしまいました。
鬼滅の刃18巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
川に落とされた伊之助は死んだと確信した童磨は、「可哀想に」と憐れみながらその場を立ち去ったのでした。
童磨の過去は親に祭り上げられた教祖!歪んだ幼少期が鬼へと最適化
伊之助の型破りな生い立ち!育ての母親が猪
鬼滅の刃18巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
恐ろしい鬼の童磨から逃れるため、産みの母親・琴葉によって崖下の川に投げ落とされた伊之助。
その命を救ったのは、まさかの野生の猪でした。
自分の子供を亡くして間もなかった母猪は、川で沈もうとする伊之助を見つけ、助けます。
そしてそのまま伊之助を自分の子供として育て始めたのです。
鬼滅の刃10巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
赤ん坊だった伊之助は、助けてくれた猪を実の母親のように慕いました。
そして自身が人間であることも知らず、山の中で猪のごとくたくましく育っていきます。
やがて育ての親だった母猪が死んでしまうと、その頭の皮を形見として被るようになったのです。
いよいよ天涯孤独となった伊之助は、餌を求めて一人で人里に下りるようになります。
そこには言葉もわからぬ伊之助に、優しい手を差し伸べる一人の老人の姿がありました。
伊之助の奇抜すぎる言語習得の裏事情
鬼滅の刃7巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
一般的に、人はある一定の年齢までに言葉を学ばないと、話せるようにはなりません。
ところが猪に育てられた伊之助は、なぜだか流暢に日本語を話します。
口はかなり悪いながらも、かなり難しい言い回しまで使っているのです。
これは伊之助が言葉を習得した環境に大きな理由がありました。
伊之助と優しい老人との奇跡の出会い
鬼滅の刃10巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
餌を求めて里に下りた伊之助は、四つ足で歩き「フガフガ」とか「ヴーッ」しか言えません。
頭には猪の被り物をした、奇妙な生き物にしか見えない伊之助。
そんな人だか獣だかわからない生物に、優しく話しかけながら餌を与える老人がいました。
実はその老人、いい具合にボケていたのです。
常識からかなり外れた伊之助を見ても、警戒心の生まれなかったことが功を奏しました。
鬼滅の刃10巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
その老人は「たかはる」という青年の祖父でした。
たかはるは口は悪いけれど、ボケている祖父を一人で懸命に世話する良い孫でした。
そんなたかはるは、祖父が変な動物に餌付けしているのに驚き、厳しく叱りつけます。
「変な動物に餌付けすんなよ!馬鹿ジジイ!!」
親猪も山から下りてきたら危険と考えたたかはるは、全力で伊之助を追い払いました。
餌と言葉と愛情をかけられた伊之助
鬼滅の刃10巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
しかし味をしめた伊之助、そんなことではめげずに祖父の家へ通います。
祖父も孫にしこたま怒られたことなど忘れており、まるで初孫のごとく伊之助を可愛がるようになりました。
とある日の伊之助は、祖父の膝の上で百人一首の読み聞かせをしてもらっています。
それを目にしたたかはるは、またもや汚い言葉で罵りながら伊之助を追い払います。
鬼滅の刃10巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
また伊之助は、この祖父から「嘴平伊之助」という自分の名前を知ることになります。
字が読めない伊之助に、祖父はふんどしに書いてあった名前を読み上げてくれたのです。
愛情たっぷりに、餌と言葉を与えてくれる祖父の元に足繁く通う伊之助。
その度にたかはるに見つかって、口汚く罵られ追い払われるを繰り返す中で、伊之助は覚醒します。
言葉を見事に我が物とした伊之助
鬼滅の刃10巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
祖父から愛情たっぷりに言葉をかけられ、同時にたかはるから汚く罵られる日々。
そしてついに、その日がやって来ました。
いつもの様にたかはるに追い払われた時、伊之助は反撃に出たのです。
「シッシッシッシッうるせぇんだよ!こんのタコ助が!!」
伊之助の頭の中で、点と点だった言葉の回路が繋がった瞬間でした。
伊之助は今まで学習した罵声を浴びせた上に、見事な蹴りでたかはるを圧倒。
愛情たっぷりに語りかけてくれた祖父と、汚く罵るたかはるのお陰で、伊之助は言葉を我が物にしたのでした。
闘争本能から鬼殺隊に入る伊之助
言葉が分かる様になった伊之助ですが、その中身は依然として野生児のまま。
伊之助にとっては、自分の強さこそが自分の存在価値だったのです。
そんな伊之助に、新たな興味を掻き立てることが起こりました。
それは鬼殺隊の隊員との運命的とも言える遭遇でした。
伊之助と鬼殺隊の偶然の出会い
鬼滅の刃4巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
いつものように山で動物相手に力くらべを楽しむ伊之助の目の前に、見慣れない人間が現れます。
背中には滅の文字が刻まれ、腰には刀をつけた、人食い鬼を退治する鬼殺隊の隊員。
不幸なことにこの隊員は、好奇心旺盛で怖いもの知らずの伊之助の標的となりました。
伊之助は丸腰でその隊員に力比べを挑んだ挙句、見事刀を奪い取ります。
鬼滅の刃3巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
そして最終選別や鬼の話を聞き出すと、選別に参加したというわけです。
通常、鬼殺隊の剣士は育手と呼ばれる師匠の元で、剣技と呼吸の基礎を学ぶのが一般的。
そんな中、伊之助は独学で獣の呼吸を習得し、あの過酷な最終選抜を一番乗りで突破しています。
鬼殺隊員が入隊を志願した理由の大半は、鬼に殺された肉親の仇をとるためです。
ところが過去も生い立ちも型破りな伊之助の場合、強い相手と戦ってより強くなることこそが目的。
自然の中で獲得した伊之助の闘争本能の赴くままの行動が、鬼殺隊への入隊だったのです。
伊之助とアオイの結婚|カップルになった2人の出会いとその後!
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