「ヒノカミ神楽」とは、竈門家に代々伝わる火の神に奉納する舞いのこと。
しかし「ヒノカミ神楽」の本当の姿は、鬼殺の最強剣士が使っていた「日の呼吸」だったのです。
戦国時代、炭治郎の先祖・炭吉は「日の呼吸」の剣士に命を救われました。
その剣士の恩に報いるべく、炭吉は「日の呼吸」を「ヒノカミ神楽」として継承したのがはじまり。
炭吉から炭治郎まで引き継がれまでに、実に400年以上の時間がありました。
しかし、「日の呼吸」は1ミリの狂いもなく「ヒノカミ神楽」として伝えられたのです。
この記事では、「ヒノカミ神楽」が「日の呼吸」そのものだったという驚きの事実に迫ります。
また鬼舞辻無惨を死の淵に追いやった、幻の「日の呼吸」の十三番目の型についてもご紹介します。
400年以上にわたって引き継がれた思いの深さに感動すること間違いなしです。
- 1 「ヒノカミ神楽」は「日の呼吸」だった
- 2 「日の呼吸」とは「始まりの呼吸」
- 3 日の呼吸十二の型一覧と技を徹底解説
- 3.1 日の呼吸の型一覧
- 3.2 壱の型・円舞(いちのかた えんぶ)
- 3.3 弐ノ型・ 碧羅の天(にのかた へきらのてん)
- 3.4 参ノ型・烈日紅鏡(さんのかた れつじつこうきょう)
- 3.5 肆ノ型 ・灼骨炎陽(しのかた しゃっこつえんよう)
- 3.6 伍ノ型 ・陽華突(ごのかた ようかとつ)
- 3.7 陸ノ型 ・日暈の龍 頭舞い(ろくのかた にちうんのりゅう かぶらまい)
- 3.8 漆ノ型 ・斜陽転身(しちのかた しゃようてんしん)
- 3.9 捌ノ型 ・飛輪陽炎(はちのかた ひりんかげろう)
- 3.10 玖ノ型 ・輝輝恩光(くのかた ききおんこう)
- 3.11 拾ノ型 火車(じゅうのかた かしゃ)
- 3.12 拾壱ノ型 ・幻日虹(じゅういちのかた げんにちこう)
- 3.13 拾弐ノ型 ・炎舞(じゅうにのかた えんぶ)
- 4 幻の十三の型は無惨を倒すための必殺技
- 5 400年以上かけて辿り着いた場所
「ヒノカミ神楽」は「日の呼吸」だった
鬼滅の刃5巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
竈門家に決して絶やしてはいけないものが2つありました。
・ヒノカミ神楽
・耳飾り
ヒノカミ神楽とは、竈門家代々が「火の神に奉納する舞い」です。
花札のような耳飾りは、竈門家では「父から子への形見」として引き継がれてきました。
この「ヒノカミ神楽」と「耳飾り」は、戦国時代に生きた炭治郎の先祖・炭吉から継承が始まりだったのです。
ヒノカミ神楽は竈門家で継承される舞い
鬼滅の刃5巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
「ヒノカミ神楽」とは、竈門家で代々継承される「火の神様」に奉納される「舞い」のことです。
竈門家は先祖代々、炭焼きという「火を使う仕事」を生業としてきました。
このことから竈門家で、年の初めに家の長が、「火の神」に一年の安全を祈願して舞うのが伝統。
その歴史を遡ると、炭治郎が生まれる400年以上も昔の戦国時代に辿り着きます。
ヒノカミ神楽の継承が始まったのは、炭治郎の遠い先祖である炭吉の代からです。
炭吉は「ヒノカミ神楽」を絶対に絶やすことなく、竈門家で代々引き継ぐよう言い残しています。
それは、炭吉にとって命の恩人である鬼殺の剣士と交わした約束を守るためでした。
炭吉とある鬼殺の剣士との出会い
鬼滅の刃12巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
戦国時代のこと、炭治郎の先祖・炭吉は山奥で静かに炭焼き小屋を営んでいました。
炭吉は妻のうたと二人暮らし。もうすぐ赤ん坊が生まれてくるのを楽しみにしていました。
そんなある夜のこと、鬼が炭吉と妻・うたを襲います。
鬼に逃げ惑う二人を助けたのは、継国縁壱という「日の呼吸」を使う鬼殺の剣士でした。
鬼滅の刃17巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
縁壱はあっという間に鬼を退治し、臨月のうたのために産婆まで呼びに行ってくれました。
そのおかげで、炭吉とうたの間に娘の「すみれ」が無事生まれたのです。
炭吉にとって縁壱は、自分と妻と娘まで助けてくれた大の命の恩人でした。
苦悩の天才剣士だった縁壱
週刊少年ジャンプ2019年46号 鬼滅の刃 第178話©吾峠呼世晴/集英社 より引用
鬼殺隊の最強剣士と言われる継国縁壱は、生まれながらの天才剣士。
幼い頃から相手の体が透けて見え、筋肉の動きや血の流れさえも瞬時に理解します。
さらには「呼吸」で自分の体を自在に操り、人間の限界を超えた剣を振るうことができたのです。
そんなずば抜けた才能をもつ縁壱が使う呼吸こそ「日の呼吸」でした。
「日の呼吸」の威力とは、鬼の始祖・鬼舞辻無惨を死の淵に追いやるほど。
鬼滅の刃21巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
しかし縁壱は後一歩のところで無惨を取り逃がしてしまいます。
縁壱に首を切られた無惨は、自分の体を細かく砕いて飛び散らせたのです。
縁壱はその肉の破片を切り刻みますが、わずかばかり取り逃がしたために無惨は生きながらえました。
自分のしくじりのせいで、今後も多くの人が鬼に命を奪われる
無惨にとどめを刺せなかったことで、自分を攻める縁壱にさらなる不幸が襲います。
同じく鬼殺隊だった双子の兄が、親方様の首を切って鬼になったというのです。
無惨を取り逃がしたことと、兄が鬼になるという失態から、縁壱は鬼殺隊を追われてしまいました。
炭吉が縁壱に交した「固い約束」
鬼滅の刃12巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
無惨を取り逃がし、双子の兄は鬼となり、鬼殺隊を追われ行き場を失った縁壱。
そんな縁壱が救いを求め会いに行ったのは、かつて自分が助けた炭吉でした。
炭吉はそこで初めて、縁壱がどれほど抱えきれないほどの重荷を背負ってきたかを知ります。
愛する妻とそのお腹の子供を鬼に食い殺されたため、鬼狩りになったこと。
そして、憎い仇である鬼の始祖・鬼舞辻無惨を取り逃がしてしまった。
鬼舞辻無惨を倒すために、特別に強く生まれたと自覚していた縁壱。
にも関わらず無惨を取り逃がした自分は、為すべき使命を果たせなかった「価値のない人間」だと言い放ちます。
炭吉は縁壱にかける言葉が見つからず、ただ黙って聞くしかできませんでした。
週刊少年ジャンプ2020年10号 鬼滅の刃 第192話©吾峠呼世晴/集英社 より引用
別れ際、縁壱は自分が幼い頃から肌身離さずつけていた「耳飾り」を炭吉に渡しました。
それは炭吉家族が、今後も幸せに暮らしていけるよう祈りを込めてのこと。
炭吉は自分の命を救ってくれた縁壱のために、何ができることはないかと考えました。
そこで、炭吉は縁壱の果たせなかった願いを未来に繋ぐと決心します。
誰もが寿命がくるまで、幸せに生きられる世の中を作ること
自分の代では無理だが、繋いでいけばきっと誰かが果たしてくれるはず。
炭吉は、縁壱から託された「耳飾り」と「日の呼吸」の型を子孫に継承すると約束したのです。
実は、縁壱が大切にしていた耳飾りは、信心深かった母親が作ったお守りでした。
生まれながらの天才剣・縁壱の生い立ちや、炭吉との出会いについては別記事で詳しく解説しています。
炭治郎の耳飾りとヒノカミ神楽は400年以上引き継がれた約束の証
「日の呼吸」が「ヒノカミ神楽」になる
週刊少年ジャンプ2020年10号 鬼滅の刃 第192話©吾峠呼世晴/集英社 より引用
縁壱が振るう「日の呼吸」は、まるで精霊が舞うかのように美しいものでした。
剣の心得がない炭吉は、その姿形をしっかりと目に焼き付けます。
そして「日の呼吸」の十二個ある全ての型の形と名前を、「ヒノカミ神楽」の舞いとして残したのです。
「ヒノカミ神楽」は400年という時間を超えて、驚くほど正確に親から子へと伝えられていきます。
鬼滅の刃5巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
炭吉から始まった「ヒノカミ神楽」は、火の神様に捧げる奉納の舞いとして継承されました。
しかし炭治郎の代で、運命の歯車が動きはじめます。
炭治郎の家族は鬼に惨殺され、唯一生き残った襧豆子は無惨によって鬼にされるという悲劇。
この悲劇は炭治郎にとって、鬼殺の剣士になる揺るぎない動機となります。
そして鬼となった襧豆子を人間に戻すため、炭治郎は鬼舞辻無惨を倒すことを誓ったのです。
これこそ日の呼吸の剣士・縁壱がやり残した使命を、炭治郎が引き継いだ瞬間でした。
400年の時を超えて、「ヒノカミ神楽」は本来の「日の呼吸」として復活していくのです。
道を極めた者が行き着く先
鬼滅の刃2巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
鬼殺の剣士を志した炭治郎が、初めて習得した呼吸は「水の呼吸」でした。
炭治郎は元水柱・鱗滝左近次の下で、剣士としての修行を積んだからです。
しかし実践を積む中で炭治郎は、「水の呼吸」が自分の体に適してないことに気がつきます。
なぜなら鱗滝や水柱の富岡義勇のような強さを、炭治郎は「水の呼吸」では発揮できなかったからです。
一方で、炭治郎が鬼との戦いで死の瀬戸際に立たされた時、いつも「ヒノカミ神楽」の一撃で切り抜けていました。
鬼滅の刃9巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
「水の呼吸」より自分には「ヒノカミ神楽」の方があっている。
そう感じる炭治郎でしたが、「ヒノカミ神楽」を使うにあたって大きな問題がありました。
「ヒノカミ神楽」は爆発的な強さを発揮できますが、体力を激しく消耗するため連発できないないのです。
炭治郎は自分の心と体を極限まで鍛えることで、「ヒノカミ神楽」を極めていきます。
鬼滅の刃18巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
そしてたどり着いた先は、「日の呼吸」の天才剣士・縁壱と同じ「至高の領域」だったのです。
それは相手の体が透けて見え、すべての攻撃がスローモーションのようにゆっくり感じる世界。
こうやって炭治郎は父から受け継いだ「ヒノカミ神楽」を極め、「日の呼吸」にたどり着いたのでした。
「日の呼吸」とは「始まりの呼吸」
鬼滅の刃8巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
「日の呼吸」が最強である理由は、すべての呼吸の大元となる「始まりの呼吸」だからです。
縁壱が鬼殺隊に入った時、誰一人「呼吸」を使える剣士はいませんでした。
すでにある剣の型に「呼吸」を上乗せすれば、その威力は桁違いに上がる。
縁壱は惜しみなくどの剣士にも「呼吸」を教えましたが、誰も「日の呼吸」を会得することができません。
週刊少年ジャンプ2020年2号 鬼滅の刃 第186話©吾峠呼世晴/集英社 より引用
そこで縁壱は剣士の能力に応じて、それぞれに最適な「呼吸法」を指導していきました。
こうやって炎、水、雷、岩、風といったすべての呼吸は、「日の呼吸」の派生として生まれたのです。
ゆえに「日の呼吸」は「始まりの呼吸」と呼ばれ、また史上最強の呼吸法だったのです。
日の呼吸十二の型一覧と技を徹底解説
初めのうち、炭治郎は「ヒノカミ神楽」が「日の呼吸」だと気がついていませんでした。
そのため技を出す時、「日の呼吸」ではなく「ヒノカミ神楽」と名乗っていました。
しかし無惨との戦いが最終局面を迎えた時、炭治郎の中に眠る遺伝子に刻まれた先祖の記憶が蘇ります。
そこで初めて「ヒノカミ神楽」が「日の呼吸」だと完璧に理解するに至りました。
日の呼吸の型一覧
「日の呼吸」には、型が全部で12個あります。
壱の型 | 円舞(えんぶ) |
弐ノ型 | 碧羅の天(へきらのてん) |
参ノ型 | 烈日紅鏡(れつじつこうきょう) |
肆ノ型 | 灼骨炎陽(しゃっこつえんよう) |
伍ノ型 | 陽華突(ようかとつ) |
陸ノ型 | 日暈の龍 頭舞い(にちうんのりゅう かぶらまい) |
漆ノ型 | 斜陽転身(しゃようてんしん) |
捌ノ型 | 飛輪陽炎(ひりんかげろう) |
玖ノ型 | 輝輝恩光(ききおんこう) |
拾ノ型 火車 | 火車( かしゃ) |
拾壱ノ型 | 幻日虹(げんにちこう) |
拾弐ノ型 | 炎舞(えんぶ) |
それでは、「ヒノカミ神楽」こと「日の呼吸」の全ての技の動きを解説しましょう。
壱の型・円舞(いちのかた えんぶ)
鬼滅の刃5巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
円舞とは、大勢の人が円陣を組んで踊る舞いのことです。
「日の呼吸」壱の型・円舞とは、強烈な炎が大きな輪を描きながら敵を切る技。
炭治郎がこの技を初めて使ったのは、那田蜘蛛山での下弦の伍・累との戦いでした。
塁の鋼鉄のような蜘蛛の糸を切るために、炭治郎は「水の呼吸」拾ノ型・生生流転で詰め寄りました。
しかし、塁はさらに糸の強度を上げて攻撃してきたため、炭治郎は死の瀬戸際に追い詰められます。
鬼滅の刃5巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
走馬灯のように過去の記憶が蘇る中、炭治郎は父・炭十郎の言葉を思い出します。
炭治郎、呼吸だ。息を整えて、ヒノカミ様になりきりるんだ。
父の言葉の真意も分からぬまま、とっさに炭治郎は「水の呼吸」から「ヒノカミ神楽」に呼吸を変えます。
こうやって炭治郎が初めて「ヒノカミ神楽」を剣の型として使ったのは、この「円舞」でした。
円舞一閃
鬼滅の刃15巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
「円舞一閃」とは、ヒノカミ神楽の「円舞」と、雷の呼吸・壱の型「霹靂一閃」を掛け合わせた技。
霹靂一閃は足の筋肉の繊維1つ1つに呼吸を巡らせることで、雷のように早く走ることを可能にします。
炭治郎は逃げる上弦の肆・半天狗に雷のごとく詰め寄り、炎の輪で首を切り落としました。
こうやって炭治郎だけのオリジナル「円舞一閃」が生まれたのです。
弐ノ型・ 碧羅の天(にのかた へきらのてん)
鬼滅の刃7巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
碧羅の天とは、晴れ渡った青空という意味です。
「日の呼吸」弐ノ型・ 碧羅の天とは、太陽の輪を空で描きながら敵を切断する強烈な一撃。
この技は炭治郎が無限列車で、下弦の壱・魘夢の首を切った時に使った技です。
列車と一体化した魘夢の首は巨大な上に硬く、炭治郎と伊之助の連撃でもビクともしません。
早く首をはねないと、人質となっている乗客と一緒に戦っている仲間の命が危ない
炭治郎は渾身の力を振り絞り、ヒノカミ神楽「碧羅の天」で魘夢の首を一刀両断したのです。
参ノ型・烈日紅鏡(さんのかた れつじつこうきょう)
鬼滅の刃9巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
烈日とはじりじりと照りつける太陽。また紅鏡とは紅色に輝く鏡、すなわち太陽を意味します。
「日の呼吸」参ノ型・烈日紅鏡とは、照りつける紅い太陽のような斬撃を弧を描きながら振るう技。
上弦の陸・堕姫との戦いで、炭治郎は亡き煉獄の言葉「心を燃やせ」を思い出し自分を奮い立たせます。
以前の炭治郎はヒノカミ神楽を使うと体力の消耗が激しく、連発ができずにいました。
しかし、上弦との戦いは「水の呼吸」では勝てないと判断。
炭治郎は今まで鍛錬を重ねた自分を信じ、ヒノカミ神楽で戦うと決めて放った最初の一撃がこの技だったのです。
肆ノ型 ・灼骨炎陽(しのかた しゃっこつえんよう)
鬼滅の刃7巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
灼骨炎陽とは骨まで焼け付くような、夏のジリジリと照りつける太陽を意味します。
「日の呼吸」・肆ノ型 ・灼骨炎陽とは、太陽のような炎の輪がいくつも重なり合って渦を巻きながら相手を切りつける技。
上弦の陸・堕姫と戦った際、炭治郎は怒りから自分の限界以上の力を発揮してこの技を放ちました。
堕姫と言えども、その切り口は焼けるように熱く、感じたことのない痛みを伴うため再生が遅れます。
まさに最強の「日の呼吸」の使い手・縁壱を彷彿させる一撃だったのです。
伍ノ型 ・陽華突(ごのかた ようかとつ)
鬼滅の刃12巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
陽華とは神々しい光、すなわち太陽を意味します。
「日の呼吸」伍ノ型 ・陽華突とは、天に輝く太陽を撃ち抜くような突きの技。
鍛冶屋の里で刀で過ごしていた、炭治郎と時透無一郎を上弦の肆・半天狗が襲って来た時のことです。
天井に這う半天狗を、炭治郎が撃つために放った一撃が「陽華突」でした。
陸ノ型 ・日暈の龍 頭舞い(ろくのかた にちうんのりゅう かぶらまい)
鬼滅の刃13巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
日暈とは、太陽の周りにできる赤みがかった白色の輪のこと。
「日の呼吸」陸ノ型 ・日暈の龍 頭舞いとは、太陽のごとく燃える龍が螺旋を描きながら舞うような斬撃。
炭治郎がこの技を使ったのは、上弦の肆・半天狗の分身3体を同時に切ったときです。
炭治郎の日輪刀の色は黒ですが、襧豆子の血気術「爆血」によって燃える赤い刃に変わりました。
爆血刀となった炭治郎の刃は威力を増し、日暈の龍 頭舞いで広範囲の攻撃を繰り広げたのです。
鬼滅の刃13巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
無惨を追い詰めた「日の呼吸」の剣士・縁壱も、戦うときだけ漆黒の刀が燃えるような赤になります。
切れらた上弦の肆・半天狗の分身は、炭治郎の姿と縁壱が重なって見えていました。
漆ノ型 ・斜陽転身(しちのかた しゃようてんしん)
鬼滅の刃18巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
斜陽とは西に傾いた太陽、すなわち夕日を意味します。
「日の呼吸」漆ノ型・ 斜陽転身とは、空中で体を回転させてひねりつつ相手を切る技。
炭治郎はこの技で、尊敬してやまない煉獄の仇である上弦の参・猗窩座の首をはねています。
このとき炭治郎が見ていた世界は、呼吸を極めた者だけが見える「透明な世界」でした。
それは鬼となって400年以上も武術を極めた、上弦の参・猗窩座さえもたどり着けなかった「至高の領域」。
炭治郎は戦いを重ねる中で、徐々に「日の呼吸」の剣士としての才能に目覚めて行ったのです。
捌ノ型 ・飛輪陽炎(はちのかた ひりんかげろう)
鬼滅の刃17巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
飛輪とは太陽の別名です。陽炎とは、地面から炎のような揺らめきが立ち上る現象。
「日の呼吸」捌ノ型 ・飛輪陽炎とは、振るった刃が陽炎のように揺らいで刀先が伸びる技。
炭治郎はこの技を上弦の参・猗窩座に振るい、わずかですが首を切っています。
猗窩座は確実に交わしたと思っていましたが、思った以上に刃先が伸びていたのです。
玖ノ型 ・輝輝恩光(くのかた ききおんこう)
週刊少年ジャンプ2020年9号 鬼滅の刃 第191話©吾峠呼世晴/集英社 より引用
輝輝とは光り輝くを意味します。
恩光とは、すべての命を育む温かい春の光を意味します。
「日の呼吸」玖ノ型 ・輝輝恩光とは、燃える太陽が包み込むような斬撃を繰り出す技。
炭治郎は無惨との最終局面でこの技を使い、栗花落カナヲをギリギリのところで救っています。
無惨の腕は焼けるように切断され、炭治郎に攻撃を止められたことに驚いていました。
拾ノ型 火車(じゅうのかた かしゃ)
鬼滅の刃17巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
火車とは字のごとく燃える車ですが、もとは仏教用語です。
生前に悪事を働いた罪人を乗せて地獄に運ぶ車。または、地獄で罪人を乗せて責める火の車を意味します。
「日の呼吸」拾ノ型 ・火車とは、自らの体を車輪のごとく回転させて相手の背後に回り込んで切る技。
炭治郎は上弦の参・猗窩座との戦いで、見事にこの技で腕を切り落としています。
この一撃に猗窩座も驚き、強くなった炭治郎と戦えることに胸を踊らせたのです。
拾壱ノ型 ・幻日虹(じゅういちのかた げんにちこう)
鬼滅の刃9巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
幻日とは、まるで本物の太陽のような光が、太陽とは別の場所に現れる現象。
「日の呼吸」拾壱ノ型 ・幻日虹とは、相手の視覚に錯覚を与えて体を躱す技。
体を高速で捻って回転させることで、残像を見せて撹乱させます。
この技によって相手の背後に回り込み、次の技で急所を狙うことが容易になるのです。
炭治郎は上弦の陸・堕姫に「幻日虹」で、視覚を惑わすことに成功しています。
拾弐ノ型 ・炎舞(じゅうにのかた えんぶ)
鬼滅の刃9巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
炎舞とは、読んで字のごとく「炎の舞い」。
「日の呼吸」拾弐ノ型 ・炎舞は、壱の型・円舞と同じ発音「えんぶ」です。
炎舞は二回連撃で垂直方向に相手を切る技。一撃目で逃したとしても、二撃目で相手を切ることができます。
しかし、それ以上に大切な拾弐ノ型 ・炎舞の役割は、壱の型・円舞へと繋ぐことだったのです。
それこそが、日の呼吸の剣士・縁壱のみが知る幻の「日の呼吸・十三の型」の鍵でした。
幻の十三の型は無惨を倒すための必殺技
週刊少年ジャンプ2019年48号 鬼滅の刃 第180話©吾峠呼世晴/集英社 より引用
ヒノカミ神楽として伝えらた「日の呼吸」には、もともと型が12個しかありません。
しかし、13番目の型が存在することを、炭治郎は代々・炎柱である煉獄家からの手紙で知ります。
それもそのはず、炭治郎の先祖さえも知らなかった13番目の型とは、新たな別の型ではなかったからです。
名前さえない13番目の型とは、1から12まである「日の呼吸」の型を永遠に繰り返すことでした。
この13の型が生まれたのは、日の呼吸の剣士・縁壱が鬼の始祖・鬼舞辻無惨に出会った瞬間でした。
週刊少年ジャンプ2020年2号 鬼滅の刃 第186話©吾峠呼世晴/集英社 より引用
驚くことに、無惨の体には心臓が7つ脳が5つもあったのです。
しかも意のままに臓器の場所を移動させることができるため、縁壱といえども無惨を仕留めるのは究極至難の技。
「日の呼吸」の12個すべての技を繋ぎ、脳と心臓を切り刻む意外に無惨を倒す方法がなかったのです。
「日の呼吸」壱の型・円舞と拾弐ノ型・炎舞は読み方が同じ「えんぶ」です。
最初と最後が同じ音の技、これは12個の技をそこで繋げることで無限の力を発揮できるという暗示でした。
炭治郎が無惨の体を見た瞬間、縁壱だけが知っていた十三番目の型の真意を理解します。
400年以上かけて辿り着いた場所
人間の命は鬼と違って、限りがあります。
しかし、肉体は朽ち果てようとも、人の想いは永遠です。
鬼のいない平和な世の中を作りたい。寿命が来るまで幸せに家族と暮らせる世界を実現する。
この想いは何百年もの時を超え、炭焼きの子供として生まれた炭治郎に託されました。
鬼滅の刃12巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
鬼殺の最強剣士だった縁壱が、炭焼きだった炭吉に言った言葉。
道を極めた者が辿り着く場所はいつも同じだ。
時代が変わろうとも、そこに至るまでの道のりが違おうとも、必ず同じ場所に行き着く。
炭治郎が引き継いだ「ヒノカミ神楽」と「耳飾り」は、鬼のいない世の中を実現する鍵でした。
「ヒノカミ神楽」が「日の呼吸」と理解したとき、縁壱の果たせなかった使命を炭治郎はしっかりと受け止めたのです。
炭治郎の父・炭十郎はヒノカミ神楽を極め「至高の領域」に達した逸材
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