日本の伝統的な冬至の食べ物とは次の4つです。
1:かぼちゃ
2:小豆粥
3:こんにゃく
4:「ん」のつく食べ物
実は、ヨーロッパにも伝統的な冬至の食べ物もあります。
それは・・ここでは女子が大好きな有名スイーツとだけお伝えしましょう。
冬至は最も昼間の時間が短く、太陽の力が弱まる日。
昔の人は冬至の日に、病気を防ぎ、邪気を払う食べ物を食べて冬を乗り越えていたのです。
来年以降の冬至の日程は以下の通りです。
2022 年 | 12月22日 |
2023年 | 12月22日 |
2024年 | 12月21日 |
この記事では、日本の伝統的な冬至の食べ物4つとヨーロッパの有名な冬至スイーツ1つを解説しています。
また、簡単なのに完璧な冬至食レシピも紹介!
今年の冬至は邪気払いと無病息災を祈願し、幸せな新年を迎える準備をしましょう。
①かぼちゃ|栄養満点で無病息災
日本では古くから冬至の日に、かぼちゃを食べる風習があります。
それには次のような言い伝えがあるからです。
冬至の日にかぼちゃを食べれば、中風(脳出血)にならず 、風邪をひかない
かぼちゃがこのように言われるのに、2つの理由がありました。
・かぼちゃを食べて邪気払い
・かぼちゃで野菜不足を解消
1つずつ解説しましょう。
かぼちゃを食べて邪気払い
カボチャの黄色は「大地の色」です。
太陽が最も弱くなる日にかぼちゃを食べれば、邪気を払い大地のパワーを体に取り込むことができる。
このように昔の日本人は考え、かぼちゃを冬至の日に食べるようになったのです。
かぼちゃで野菜不足を解消
昔は冬になると野菜が少なくなり、栄養が偏りがちでした。
そんな中で、かぼちゃは夏にとれて、冬まで長期保存ができる栄養満点の緑黄野菜!
昔の人は、夏に収穫したかぼちゃを冬至の日まで保存し、美味しく煮て食べていました。
寒さがますます厳しくなるこの時期に、栄養のあるかぼちゃを食べて無病息災を願っていたのです。
②小豆粥|魔除けと邪気払い
冬至の日には、小豆が入ったお粥「小豆粥」を食べる風習があります。
それは、冬至に小豆粥を食べれば邪気を払うことができると信じられているからです。
これには古い中国の言い伝えが由来とされています。
小豆を怖がる鬼の話
昔々の中国に、共工という凶暴な水神がおりました。
その水神には息子がおり、冬至の日に死んで世にも恐ろしい疫病の鬼神になりました。
鬼神になった息子は生前に赤い小豆を怖がった。
そこで冬至の日に、人々は小豆粥を食べて鬼を払ったということです。
しかし、なぜ鬼は小豆を怖がったのでしょうか?
これには次のような理由があります。
小豆の赤は魔除けになる
昔から、赤という色には「太陽の力」「血液の力」が宿る魔除けの意味がありました。
神社の鳥居が赤いのも、魔除けのためです。
また赤色のものを身に付ければ、元気や勇気をもらえるとも信じられています。
冬至に小豆粥を食べれば、邪気払いと太陽のエネルギーをもいただくことができます。
③こんにゃく| お腹中からデトックス
日本では古くから冬至の日に「こんにゃく」を食べる習慣があります。
その理由は、冬至に「こんにゃく」を食べると1年間で溜まった砂(汚れ)が取れると言われるからです。
これは「砂おろし」「砂払い」と呼ばれ、現代で言うところのデトックス。
砂とは老廃物のことで、こんにゃくの整腸作用でお腹がキレイになることが目的です。
④「ん」のつく食べ物|運がつく
昔の人々は冬至の日に好んで「ん」がつく食べ物を食べました。
いろは四十七文字は「ん」で終わります。
これは長い冬が終わり、暖かい春が来ることを連想させたと考えれています。
中でも「ん」が2つある食べ物は、運を2倍呼び込むラッキーフード!
次の7つの食材が「冬至の七種」と呼ばれています。
・なんきん
・れんこん
・にんじん
・ぎんなん
・かんてん
・うんどん(うどん)
「なんきん」とは、「かぼちゃ」の別名で、金運UPに効果があります。
また、うどんは「うんどん」と読むことで対人関係運をアップしてくれるそうです。
さらにもう1つ!ヨーロッパの伝統的な冬至の食べ物
冬至に無病息災を願うのは日本だけではありません。
ヨーロッパではキリストが生まれる前から、「ユール」と言われる冬至祭が12日間行われていました。
神に捧げる儀式として、大きな丸太を何日も焼いて無病息災を祈り、厄払いをしていたのです。
そのときに燃やした丸太の灰は縁起物とされ、畑や井戸にまかれて豊作や健康を祝っていました。
この伝統的な丸太をかたどってケーキを作ったものが、クリスマスケーキでお馴染みの「ブッシュドノエル」です。
単なるクリスマスケーキじゃなかったんですね。
「ブッシュドノエル」はフランス語で「クリスマスの薪」という意味です。
しかし、冬至祭はクリスマスよりも前に存在した伝統行事だったのでした。
【あわせて読みたい冬至のアレコレ】
冬至の風習や意味は知っているようで知らないことだらけ。
こちらの記事もあわせて読むことで、冬至への理解がグッと深まりますよ。
2021年子供と学ぶ冬至の風習|かぼちゃにゆず湯に世界の風習まで
【2021年版】冬至の意味|かぼちゃにゆず湯に天文学まで解説
簡単&完璧!伝統的な冬至食レシピ2品
冬至の日に食べたら良いとされる食べ物はたくさんあります。
何を作ったらいいのかお悩みのあなた。
この2品さえ作れば、今年の冬至ごはんは完璧です!
・かぼちゃと小豆のいとこ煮
・小豆粥
どちらも簡単にできるので、ぜひ挑戦してみてください。
最強の冬至食!かぼちゃと小豆のいとこ煮
冬至の代表的なかぼちゃ料理といえば、「かぼちゃと小豆のいとこ煮」です。
いとこ煮とはあずきと野菜の煮もののこと。
もともは神仏へのお供え物を集めて煮たのが始まりです。
また、かたい材料から順に入れておいおい(甥)煮ることから、いとこ煮と言われるようになりました。
栄養満点で邪気まで払う「かぼちゃと小豆のいとこ煮」の作り方を紹介しましょう。
【材料 4人分】
・かぼちゃ 200g
・ゆで小豆 100g
・だし汁 1カップ
・塩 少々
ゆで小豆は無糖のものがオススメです。スーパーでも買えます。
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【作り方】
1:かぼちゃのわたを取ります。食べやすいように一口大に切りましょう。
2:鍋にかぼちゃ、だし汁、塩を入れます。落し蓋をして5分ぐらい煮ましょう。
3:ゆで小豆を加えます。かぼちゃが柔らかくなり、煮汁がなくなるまで煮たら完成です。
超簡単!炊飯器で作る小豆粥
小豆を自分で煮て、さらにお粥を鍋で炊くのはハードルが高い・・・。
そんなときは炊飯器のお粥モードと市販のゆで小豆を使えば、簡単に手早く小豆粥が作れます。
【材料 4人分】
・お米 1合
・水 適量
・ゆで小豆 190g
・塩 少々
【作り方】
1:洗ったお米とお水を炊飯器の内釜に入れます。お水はお粥のラインまで入れましょう。
2:お粥モードで炊き上げます。
3:炊き上がったお粥に、ゆで小豆と塩を加えて混ぜます。5分ほど蒸らせば出来上がりです。
地域でいろいろ!冬至の食べ物
冬至は昼間の時間が1年で最も短い日。
昔の人は冬至の日に、「春を呼び戻す神の子(大子)」にお供え物をしていました。
そのお供え物で冬至食を作り、神様と一緒に食べることで無病息災を祈っていのです。
冬至食は地域によってさまざま。ここでは面白い冬至食をいくつか紹介しましょう。
北鎌倉の建長寺の「けんちん汁」
けんちん汁とは、もともとは北鎌倉の禅寺「建長寺」の精進料理です。
修行僧がいただいた野菜を無駄なく使うために編み出した一品。
「けんちょう汁」がいつの間にか「けんちん汁」になって広まりました。
けんちん汁は精進料理なので、肉や魚は使いません。
大根やにんじん、里芋などを油でじっくり炒めて、美味しいお出汁を取るのが特徴です。
今でも鎌倉では冬至の日に「けんちん汁」を食る習慣があります。
北海道の「かぼちゃしるこ」
かぼちゃしることは、北海道帯広の郷土料理です。
昔、北海道ではもち米が取れませんでした。
そこで、お餅の代わりにかぼちゃを入れておしるこを作ったのがはじまり。
それが今でも冬至の日に食べられているということです。
沖縄県の「トゥンジューシー」
沖縄では冬至の日に、トゥンジージューシーという炊き込みご飯を食べます。
沖縄の方言で、
トゥンジー=冬至
ジューシー=炊込みご飯
のことです。
里芋や田芋は、一つの親芋から子芋、孫芋とたくさん取れます。
このことから子孫繁栄の縁起の良い食べ物とされ、欠かすことができない具材なのです。
沖縄では冬至の日に家族みんなでトゥンジージューシー食べ、家族の繁栄と健康を祈る風習がいまでもあります。
冬至がどうして大切な日なのか教えよう。
冬至が大切な日とされる理由
なぜ日本人にとって冬至が大切な日になったか?
冬至が日本でどのようにはじまり、人々がどんな風に考えたかを知ると理解できます。
まずは冬至のはじまりについて、解説しましょう。
冬至は中国の暦「二十四節気」の1つ
古代中国では、「二十四節気」という1年を24等分にした暦が使われていました。
その1つ1つに名前がつけられており、冬至もその1つ。
日本では平安時代にこの暦が使われるようになりました。
1日だけじゃないんですか?
実は、冬至には2つ意味があります。
・1日を意味する
・1つの期間を意味する
1つずつ解説しましょう。
1日だけを意味する冬至
冬至とは、天文学的に太陽黄経が270度になる瞬間を含む日が冬至日になります。
年 | 冬至日 |
2022 | 12月22日 |
2023 | 12月22日 |
2024 | 12月21日 |
2025 | 12月22日 |
2026 | 12月22日 |
1つの期間を意味する冬至
冬至は次の節気までの期間を意味することもあります。
冬の節気は、立冬、小雪、大雪、冬至、小寒、大寒。
冬の節気の4番目です。
2021年の期間としての冬至は12月22日〜2022年1月5日までを指します。
冬至は再生・復活のめでたい日
昔の中国では、冬至を1年の暦のスタートと考えました。
なぜなら、冬至の日を境に昼間の時間がどんどん長くなるからです。
そこで「冬至節」と呼ばれる、天を祀る儀式をして祝うようになりました。
その風習が日本にも伝わり、冬至を特別な日として祝うようになったのです。
冬至の日が旧暦の11月1日と重なることがあります。
これを朔旦冬至と言い、特に喜ばしいこととされ宮中では祝宴がおこなわれました。
なぜ喜ばしいのかというと、太陽の復活の日である「冬至」と月の復活の日である「新月」が重なるからです。
次の朔旦冬至はなんと2052年!(前回は2014年です。)
冬至は一陽来復で運気が上がる日
冬至は最も昼間の時間が短く、陰の気が極まります。
陰は極まると陽の気にかえることから、冬至のことを「一陽来復」と言います。
一陽来復とは、冬が終わり春が来ること。
また、悪いことが続いた後で幸運に向かうことも意味しています。
東京・早稲田の穴熊八幡宮は、冬至の日から節分まで限定で「一陽来復」のお守りがいただけます。
商売繁盛・金運に効果抜群で大人気!
休日は行列ができ、1〜2時間待ちもあるようです。平日を狙って行きましょう。
穴熊八幡宮
東京都新宿区西早稲田2-1-11
期間:2021年は2月22日〜2022年2月3日
一陽来復の初穂料:1000円
冬至はゆず湯で禊をする日
古くから日本では、冬至の日にゆず湯に入る習慣があります。
この理由は、ゆずの強い香りが邪気を払い身を清めると信じられたからです。
また、ゆずの血行促進作用で体が温まることから、風邪予防にもなると考えられたからです。
冬至にゆず湯に入るのは、5月の端午の節句に菖蒲湯と同じく「禊」の意味があります。
冬至は最も太陽の力が弱くなる日、すなわち災厄が起こりやすい日。
昔から日本だけでなく世界中で、冬至には無病息災を祈り、太陽の復活を祝いました。
日本人ならかぼちゃや小豆粥を食べて、ゆず湯に入れば完璧。
健康で幸せな新年を迎えるために、冬至という特別な日を楽しんでお過ごしください。