読んで字のごとく「大きい根」と書いて、大根。
しかし、あの白い部分を全て「根っこ」と思っていたら大間違いです。
この記事では、大根の白い部分が「根っこ」と「茎」でてきている事実について詳しく解説しています。
正解 | 間違い |
大根の白い部分は「根っこ」と「茎」 | 大根の白い部分は「根っこ」 |
「根っこ」と「茎」の見分け方や違いを知れば、何となく作っていた大根料理が別物になること間違いなし。
大根の奥深い世界をお楽しみください。
大根の白い部分をわかりやすく図解
大きな根と書いて『大根』。
大根は大きく分けると「葉っぱ」と「白い部分」でできています。
私たちが美味しく食べているこの「白い部分」ですが、全て根っこと思っていたら大間違い。
実は、この白い部分は「根っこ」と「茎」からできているのです。
驚くことに、大根は葉、茎、根の3つの部分からできています。
葉に近く表面がツルツルしている部分は茎です。
その下にある、表面がところどころデコボコしているの部分は根っこです。
・太くて白い「主根(しゅこん)」
・ヒゲのような「側根(そっこん)」
上の写真の大根は、収穫直後でモジャモジャとした側根が主根についた状態です。
私たちが日頃スーパーなどで購入する大根は、主根の部分だけで側根がほとんどありません。
なぜなら収穫直後の大根は泥だらけなので、機械で洗浄にかけられるからです。
回転しているブラシが大根の表面に当たることで、側根が抜けて主根だけになります。
大根の表面をよく見ると、デコボコした跡があります。
これこそ、その部分に側根が生えていた証。
茎と根っこを見分けるなら、表面がツルツルかデコボコかで判断できます。
大根は部位で味が違う!驚きの秘密を紹介
大根の白い部分が、根っこと茎の2つからできていることはわかりました。
同じ1本の大根ですが、実は「根っこ」と「茎」で驚くほど辛さに違いがあるのです。
ここでは大根の部位によって味が違う秘密に迫ります。
また部位ごとの美味しい食べ方も紹介するので、ぜひ実践してみてください。
1:大根が辛いのは憎い〇〇から守るため
同じ1本の大根でも、部位によってまるで味が違います。
茎は根で吸い上げた水を葉に送り、また葉で作られた栄養を根に送る役割があります。
だから水々しくて、甘い味がします。
一方で、根は葉で作った大事な栄養を貯蔵する役割があります。
花を咲かせる時期に使う大切な栄養を虫に食べられてはたまりません。
実は大根の根っこが辛いのは、虫から食べられないようにするため。
だから根っこに行けば行くほど、辛みは強くなります。
大根の一番上の部分と一番下の部分を比較すると、下の方が10倍も辛み成分が多いです。
2:大根料理の名人になれる!部位別の美味しい食べ方
部位によって水分や辛さが違うことが理解できれば、その特徴を料理に活かすことができます。
葉に近い部分は水分が多いので、生で食べるサラダがおすすめ!
中間は程よい水分と甘みがあるので、何の料理でも美味しく調理できます。。
特に、おでんや大根ステーキ、煮物に最適です.
根に近い部分は水分が少なく味が染み込みやすいです。
辛みが強いので、漬物やお味噌汁にいいでしょう。
葉に近い部分 | サラダなど生で食べる料理 |
中間の部分 | おでん、大根ステーキ、煮物 |
根に近い部分 | 漬物、お味噌汁 |
また捨てられがちな大根の葉には、β-カロチン、ビタミンC、ビタミンK、葉酸を豊富に含みます。
細かく刻んでごま油で炒め、お醤油で味付けすれば美味しいふりかけに!
あますところなく大根を根から葉まで美味しく味わってみてください。
大根おろしは辛めが好きな人も、苦手な人もいるでしょう。
次に自分好みの大根おろしを作る方法をお伝えします。
3:大根おろしの秘技!擦り方で辛さを調整
大根は茎が甘く、根に行くほど辛いだけじゃないんです。
実はこの辛みの成分は、細胞が破壊された時に発揮されます。
大根をおろす時に、細胞が壊れるように直線的にすると辛くなります。
また細胞をなるべく壊さないように、丸く円を描くようにすると辛さを抑えられます。
部位と擦り方の2つを組み合わせれば、あなた好みの大根おろしが食べられるはず。
ぜひ試してみてください。
大根は少し緑色な部分で〇〇している
大根をよくよく見てみると、葉に近い茎の部分がうっすら緑色。
その理由は茎の部分には葉緑体があり、光合成をするから。
根の部分には葉緑体がないので、いくら日を当てても薄緑色になりません。
私たちが一般に食べている大根は、このように茎が青くなる青首大根と言われる種類です。
スーパーではあまりみ見かけませんが、茎の部分まで全部白い白首大根という種類の大根もあります。
三浦大根 豆情報2
見分け方
サイズが違いすぎるのですぐわかりますが、もう一つの見分け方は『首』です。
青首大根は、名前の通り、大根の首の部分が青色(緑)ですが
三浦大根は、白いです。
なので、『白首大根』と呼ばれたりしています。市場には年末に3日しか出回らない
と言われてます。 pic.twitter.com/VtLpiSwAJH— ブロ雅農園のブロ雅🥦 (@buromasa0423) December 22, 2019
白首大根の茎には葉緑体がないので、いくら光を当てても薄緑になりません。
辛みが強いので、煮物にして食べると美味しいです。
神奈川県三浦半島の特産「三浦大根」が有名で、年末に出荷されお正月の「おなます」に使われます。
【青首大根はもともと存在しなかったという驚きの事実】
私達がよく食べている青首大根は、白首大根を品種改良したものです。
1974年に4種類の白首大根を品種改良した青首大根が登場しました。
・育つのが早い
・空洞ができにくい
・病気になりにくい
・柔らかくて、甘い
白首大根と比べると、青首大根はいいとこだらけ。
あっという間に大根と言えば「青首大根」になっていきました。
また青首大根は地面からせり出しますが、白首大根は土に深く埋まっているため引き抜くのが大変。
青首大根は収穫しやすいということもあって、メジャーになっていきました。
大根だけじゃない!食べてる部位が意外な野菜
大根の白い部分は「根っこ」と思われがちですが、「根っこ」と「茎」の両方でした。
日頃から私達がよく食べている野菜の中には、食べている部位が誤解されているものがあります。
例えば、ジャガイモ。
「根っこ」と思われがちですが、食べているのは「茎」の部分です。
ジャガイモを日に当てると、徐々に緑色になり芽が出てきます。
その理由は、ジャガイモが「茎」だからです。
地下に埋まっている茎の部分を食べる野菜には、ショウガ、レンコン、里芋などがあります。
一方で同じ芋類であるサツマイモに日に当てても色は変わりません。
それはサツマイモが「根っこ」だからです。
同じように、ゴボウやニンジン、山芋も根の部分なので、いくら日に当てても色は変わりません。
私たちが普段食べている野菜が、一体どの部位なのかを知ると面白い発見があります。
食べる部位 | 例 |
実 | なす・ピーマン・トマト・かぼちゃ・オクラなど |
花のつぼみ | ミョウガ・ブロッコリー・カリフラワーなど |
葉 | レタス・キャベツ・玉ねぎ・長ネギ |
地上の茎 | たけのこ・アスパラガスなど |
地下の茎 | ジャガイモ・里芋・ショウガ・レンコンなど |
根 | サツマイモ・ごぼう・やまいも・ニンジンなど |
玉ねぎは「根っこ」のイメージがありますが、「葉っぱ」の部分を食べています。
ミョウガは「花のつぼみ」だということも意外と知られていません。
部位を考えてみると、なかなか奥深いものがありますね。
「おでん」や「ふろふき大根」でお馴染み、日本人にとって国民的野菜である大根。
しかし、その白い部分を全て「根っこ」と思っている人は多いのではないでしょうか?
茎と根っこで味の違いがあることや、擦り方一つで味が変わることを知らずして「大根」は語れません。
特に大根おろしを誰かに頼むなら、部位と擦り方に細かく注文をつけましょう。
うるさい人と思われない程度にですね。