あなたはポモドーロとボロネーゼの意味の違いを説明できますか?
イタリア語でポモドーロは「トマト」のこと。パスタに使われると、「スパゲッティ・アル・ポモドーロ(spaghetti al pomodoro)」。トマトのスパゲッティとなります。
一方のボロネーゼとは「ボローニャ風の」という意味の、肉や野菜を細かく刻んでワインやトマトで煮込んだソース、又はそのソースを使ったパスタの略称です。
本場のボロネーゼは、日本で一般的なスパゲッティとは違い、別の種類の麺を組み合わせているのが特徴です。
この記事ではポモドーロとボロネーゼの違いについて詳しく解説していますので、ぜひ最後までご覧下さい。
目次
ポモドーロとは
ポモドーロとは、イタリア語で「トマト」の意味。
日本人がポモドーロという言葉を目や耳にするのは、主にイタリアンのお店のメニューとしてではないでしょうか。
イタリアで最も愛され、定番中の定番と言えるパスタが、「スパゲッティ・アル・ポモドーロ(spaghetti al pomodoro)」です。
「トマトのスパゲッティ」の意味で、日本では「ポモドーロ・スパゲッティ」や「スパゲッティ・ポモドーロ」と表記されることも多いです。
スパゲッティ・アル・ポモドーロ(spaghetti al pomodoro)
南イタリアのカンパーニャ州が発祥です。もともとパスタの味付けは塩とオリーブオイルでしたが、トマトが一般に広まった18世紀頃より作られる様になり、愛され続けています。
スパゲッティ・アル・ポモドーロの基本となるトマトソースの作り方は、オリーブオイルで刻んだニンニクを炒め、そこに湯むきしたトマト又は水煮のトマトに塩を入れてとろっと煮詰めるだけ。
芯を少し残して茹でたスパゲッティにソースを絡め、バジルを添えたりパルメザンチーズをかければ、スパゲッティ・アル・ポモドーロのできあがりです。
このトマトソースをサルサ・ディ・ポモドーロ(salsa di pomodoro)、略してサルサ・ポモドーロと言い、トマトソース系のパスタやピザなど様々なメニューに使われます。
日本でも人気のある以下のパスタ料理のソースも、このトマトソースがベースとなっています。
メニュー名 | ソースの特徴 |
ポモドーロ | サルサ・ディ・ポモドーロと呼ばれるシンプルなトマトソース。(基本形) |
ボンゴレ・ロッソ | アサリ入りのトマトソース。ボンゴレは「アサリ」、ロッソは「赤」の意味。 |
ペスカトーレ・ロッソ | 魚介類入りのトマトソース。ペスカトーレは「漁師風の」を意味。 |
アラビアータ | 唐辛子入りの辛いトマトソース。アラビアータは「怒りんぼの」の意味。 |
マリナーラ | オレガノとバジル入りのトマトソース。マリナーラは「船乗りの」の意味。 |
ボンゴレやペスカトーレには、トマトソースを使用せずにオリーブオイル・塩・白ワインがベースの「ボンゴレ・ビアンコ」「ペスカトーレ・ビアンコ」があります。ビアンコは白、ロッソは赤の意味です。
ボロネーゼとは
ボロネーゼとは、イタリア語で「ボローニャ風」の意味を持つパスタソースの名前、又はメニュー名そのものを指します。
ボロネーゼはボローニャ生まれ
ボロネーゼとはイタリア語で「ボローニャ風」の意味。その名の由来は、イタリア北部にある美食の都「ボローニャ」です。
日本で「ボロネーゼ」と言うと、「スパゲッティ・ミートソース」の単なる本場の呼び方だと思っている人が少なくありません。
ところが本場のボロネーゼは、日本のものとは大きな違いがあるのです。
ボロネーゼとは肉や野菜を煮込んだラグーソース
美食の都で知られる「ボローニャ」の食通達は、パスタを食べるにも南イタリアの様にシンプルな味付けでは満足できません。
北イタリアは、地理的にフランスの食文化の影響を受けることの多いエリア。そんな背景から、フランスの煮込み料理「ラグー」をベースに誕生したソースが、ボロネーゼだったのです。
ボロネーゼの基本的な作り方は、牛肉やパンチェッタ(塩漬けの豚肉)・香味野菜(玉ねぎやセロリ・人参など)などの具材を細かく刻んでオリーブオイルで炒め、ワインやトマトなどで煮込んだもの。
最近ではひき肉も使われる様になりましたが、もともとのボロネーゼには刻んだ肉が使われていました。よく日本のレシピで「ひき肉は粗挽きの方が本場の雰囲気が出る」というのは、そういう理由です。
野菜の量に比べて肉をタップリ入れるボロネーゼは、汁気もそれほど多くなく、ソースというよりも肉料理みたいなもの。です。正式には「ラグー・ボロネーゼ(ragù bolognese」と呼ばれますが、日本では単にボロネーゼと略されることが多いです。
本場のボロネーゼとはスパゲッティではなくタリアテッレ
ボロネーゼをパスタソースとして使う時、ボローニャの富裕層達は乾燥パスタではなく、卵を使った幅広の手打ちパスタ「タリアテッレ」に絡めて食べました。
今でもイタリア国内では、ボロネーゼソースにはタリアテッレの組み合わせが基本とされ、「タリアテッレ・ボロネーゼ(tagliatelle bolognese)」と呼ばれています。
また日本を含めてイタリア国外では、一般的に「スパゲッティ・ボロネーゼ」として食べられてきました。
このボロネーゼソースとスパゲッティとの組み合わせには、材料の手に入りやすさが関係しています。
パスタの種類
日本でおなじみのスパゲッティやマカロニは、いずれもパスタの一種です。そもそもパスタとは小麦粉を練って作られた食品の総称で、イタリアにはなんと数百種類もあります。その形も短いものや長いもの、板状のものなど様々で、料理によって使い分けられています。今回の記事に登場したタリアテッレは、右の写真です。