とても曖昧なパフェとサンデーの違い!似ている理由を由来から解説

日本国内では、パフェとサンデーのはっきりとした違いはありません。

というのも、明確な定義がどちらにもなく、お店によっても解釈は様々。

つまりパフェもサンデーも同じものとして扱われているのです。

あえて違いを言うなら、「パフェとサンデーの誕生にまつわるストーリー」です。

パフェサンデー
生まれた国日本アメリカ
もとになった食べ物パルフェクリームソーダ

これだけ誕生の仕方が違うのに、なぜパフェとサンデーは似ているのでしょうか。

この記事ではパフェとサンデーの違いと、似ている理由について解説しています。

どうぞ最後までお読み下さい!

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とっても曖昧なパフェとサンデーの違い

パフェとサンデーの違いは、とっても曖昧です。

なぜかと言えば、日本国内に統一した基準が存在しないから。

結果として、パフェとサンデーの表記をどの様に使うかの解釈が、お店に委ねられています。

業界によっては統一基準を設けることで、混乱を防いでいます。他の業界、例えば「乾麺」業界では、「うどん」「きしめん」「ひやむぎ」「そうめん」について、基準が明確に定められています。

こうした基準がパフェとサンデーにはなく、しかも見た目がそっくりだったりするので、違いが曖昧なんです。

お店によって解釈がまちまち

パフェとサンデーとの違いとしてよく挙げられるのが、サイズの差。

両方を提供する大手外食チェーンのメニューを調べたところ、次の様なことが分かりました。

「パフェとサンデーのサイズを比較したら、結果はお店でまちまち」なのです。

サンデーとパフェ、大きいのはどちら?(2021年4月現在のメニュー参照)

店名大きい方小さい方
シャノアールパフェサンデー
デニーズサンデーミニパルフェ・サンデー
ロイヤルホストパフェ(ジャーマニー)・サンデーパフェ・サンデー
ジョナサンパフェミニパルフェ・サンデー
 ゆみ 
私は大きい方がパフェだと思っていたけど、そうとも限らないのね。

しかもサイズだけでなく、名前の使い方も非常に曖昧でした。

このような表記では、サンデーとパフェの違いはよく分かりません。

なぜこの様な状況になってしまったのでしょうか?

混乱の原因はサンデー?

日本生まれのパフェは、各地のお店で様々な姿になりました。

これと同じことは、アメリカ生まれのサンデーでも起きていたのです。

そのため同じサンデーという名前でも、その姿は様々。

そんなサンデーが日本に入ってきたら混乱するのは当然です。

 ゆみ 
パフェとサンデーの違いがよく分からないのには、そんな理由があったのね。

それでは唯一の違いと言える、両者の誕生にまつわるストーリーを見てみましょう。

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パフェの語源と由来

パフェの語源はフランス語の「パルフェ (parfait) 」です。

パルフェはアイスクリームの一種。明治時代の始めにフランスで誕生しました。

フランスのパルフェからパフェが誕生

エミリー 
材料の配合のバランスがいいと、固くてもクリーミーな食感になったの。それで「パルフェ(完璧)」と名付けられたのよ。

もともとパルフェは、アイスクリームの部分を指していました。

しかし日本に伝わった時に意味が変化。

「アイスクリームや果物・クリーム等の盛り合わせ」を指す様になったのです。

こうして日本のパフェが誕生しました。

今風のパフェになったのは昭和初期

パフェが現在の様なスタイルになったのは、昭和初期とみられています。

銀座の千疋屋が、昭和13年(1938年)には背の高いグラスで出していました。

ただし戦前は、まだまだ一部のお店でしか食べられませんでした。

そんなパフェが一般に広まったのは、昭和35年(1960年)以降。

当時ブームになった純喫茶の甘味として、全国に広がって行ったのです。

 ゆみ 
純喫茶がブームになったきっかけは、コーヒー生豆の輸入自由化なんだって。

パフェの由来と誕生について詳しくはこちら

材料を変えたパフェが続々と誕生

もともとパフェの定番と言えば、フルーツパフェとチョコレートパフェ。

それらが全国に広まる中で、様々なバリエーションが派生していきました。

そして同じ名前のパフェでも、お店によって材料や盛り付け方が変わっていったのです。

また時代を反映した材料を使ったパフェが、次々に誕生してきました。

誕生した主なパフェ
昭和プリンパフェ 抹茶パフェ ティラミスパフェ
平成マンゴーパフェ シャインマスカットパフェ

ファミレスや観光地の定番となった抹茶パフェが生まれたのは、昭和44年。京都の「京はやしや」の考案です。今となっては抹茶を使ったお菓子やデザートは色々とありますが、当時は斬新でした。

定番のスタイルを外れてもパフェ

多くの日本人にとって、パフェとは背の高い器に盛り付けられたもの。

ですが、定番のスタイルにとらわれないパフェも出てきています。

コップの様なグラスを使ったグラスパフェもその1つと言えます。

これは海外の「parfait(パフェ)」のスタイルと同じです。

そして最近では、お皿を使った「プレートパフェ」を出すお店もあります。

プレートパフェは、いわゆる「デザートの盛り合わせ」。

しかし言葉の響きが違うと、又新たにお客さんの心をつかんでいきます。

こうして器や盛り付け方・名前の面でも、パフェのバリエーションは増えています。

サンデーの語源と由来

サンデーの語源は英語で日曜日を意味するsundayです。

サンデーが生まれたのは19世紀後半のアメリカ。

アイスクリームソーダの代わりに誕生したという面白い逸話があります。

ソーダ水無しのクリームソーダがサンデーの誕生

サンデーが誕生したのは、ウィスコンシン州のトゥーリヴァースという町。

それは1881年のとある日曜日、ソーダファウンテンでの出来事でした。

その当時、宗教的な理由でアイスクリームソーダ を安息日の日曜日に飲むことは禁止。

そこで一人の客が、チョコレートシロップをかけたアイスクリームを頼みました。

つまり、ソーダ水を使わなければ日曜日でもいいじゃないかというわけです。

エミリー 
この頃は、アイスクリームソーダの味をつける為に、チョコレートシロップが使われていたの。

日曜日だけの販売だからサンデー

チョコレートシロップをかけたアイスクリームは大評判!

当初は日曜日(Sunday(サンデー))限定で販売されていました。

後に色々な味が出て、日曜日以外にも売られましたが、サンデーと呼ばれました。

以上がサンデー誕生に関する最も古くて有名な逸話です。

エミリー 
他にも、1892年のニューヨーク州イサカの町で誕生した説(アイスクリームを客に提供する際に、チェリーを乗せてシロップをかけた)などがあるのよ。

サンデーのスペルは、「Sunday」ではなく「Sundae」となっています。これは、ガラス食器のセールスマンが、サンデー用に使われる横長のガラス皿を会社に発注する際、Sundae dishes(サンデーのお皿)としたからという説が一つ。そして人々の批判を受けない様にスペルを少しだけ変えたという別説もあります。

バリエーション豊かなサンデー

アイスクリームのチョコレートシロップがけや、チェリー乗せ。

典型的なサンデーは、アイスクリーム用の浅めの器に盛られています。

それがアメリカ各地で様々な形に変化していきました。

当初シンプルだったサンデーには、やがて色々なものがトッピング。

生クリームやフルーツなどが加わり、器も色々な形が使われる様になりました。

この英語の動画に登場するのは、1925年から続くニューヨークのアイスクリームショップが作るサンデー。本場の雰囲気がたっぷりで、いくつも違う種類が登場しています。

パフェに見えてもサンデー

「サンデー」は、アメリカの各地で様々なバリエーションが誕生しました。

色々な材料が背の高い器に盛られたものなんて、日本人には「パフェ」にしか見えません。

この様にアメリカのサンデーの中には、パフェと見た目が一緒のものもあります。

そんな「サンデー」が日本に入って来たら、「パフェ」とごっちゃになりますよね。


パフェとサンデーの違いは誕生にまつわるストーリー

パフェとサンデーの誕生にまつわるストーリーをまとめました。

パフェサンデー
生まれた国日本アメリカ
もとの食べ物パルフェクリームソーダ
姿形の変化日本国内で、次々と新しいバリエーションが増えたアメリカで様々なバリエーションが増えてから、日本に伝わった
日本で混乱の
原因
それぞれに明確な定義がなく、中には見た目が同じものもあった。そのため日本に入ってきたサンデーも提供する店によって異なる解釈が生じ、違いが分かりにくくなった。

生まれも育ちも違うパフェとサンデー。

それぞれ違う発展をした結果、中には見た目が一緒のものも現れました。

そして日本で両者が出会ってから、両方の名前が使われるようになったのです。

ですから、そんなパフェとサンデーの違いが曖昧なのも当然。

結局のところパフェとサンデーの違いなんて、誕生にまつわるストーリーだけなんですから。

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