月の模様は世界のどこから見ても同じです。

代表的な世界の月の模様の見え方は以下の通り。
国 | 月の模様の見え方 |
アラビア | ライオン |
カナダ | 水を運ぶ女性 |
北アメリカ | 本を読む女性 |
南ヨーロッパ | カニ |
東ヨーロッパ | 髪の長い女性 |
国が違えば文化も違うので見え方は様々です。
この記事では、日本ではうさぎでお馴染みの月の模様が、世界ではどう見えるのかを紹介します。
また、月の模様が世界のどこから見ても同じな理由もわかりやすく解説しています。
最後までお楽しみください。
月の模様は世界ではどう見える?
月の模様は世界のどこで見ても同じです。
日本は古くから月の中にうさぎを見てきました。

月の模様は世界ではどのように見られているのでしょうか?
世界の月の模様を紹介
提供: 国立天文台

月の模様は世界中で様々な人や動物に例えられています。
世界の月の模様の見え方は以下の通り!
国 | 月の模様の見え方 |
アラビア | ライオン |
カナダ原住民 | 水を運ぶ女性 |
北アメリカ | 本を読む女性 |
南アメリカ | ロバ・ワニ |
ハワイ | 木 |
北ヨーロッパ | 本を読むおばあさん |
南ヨーロッパ | カニ |
東ヨーロッパ | 長い髪の女性 |
ドイツ | 薪をかつぐ男 |
オーストラリア | 男の人の顔 |
ニュージーランド | 女の人 |
インド | ワニ・両手 |
インドネシア | 編み物をする女性 |
ベトナム | 大きな木とその下で休む男性 |
韓国 | うさぎ |
中国 | うさぎ・カエル |
モンゴル | 犬 |
月の模様に対する解釈は国で様々。
その国の文化や神話に影響を受ける傾向にあるようです。
2022年9月10日は中秋の名月です。実は、正確には中秋の名月と十五夜は同じものではなく、満月とも限りません。
中秋の名月にまつわる意外と知られていないアレコレをこちらの記事でお楽しみください。
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ドイツ:薪をかつぐ男
ドイツでは月の模様に老人が木の枝を背中に背負っている姿を見ます。
これはキリスト教の教えに由来しています。
老人は安息日の掟を破ったために永遠の刑罰を受けている姿を表しています。
ハワイ:木
ハワイではヒナという名の女性がいました。
月に生えているベンガルボダイジュという木で神々のために服を作ったと言われています。
ニュージランド:女の人
ニュージーランドのマオリ族には次のようなお話があります。
ロナという名の乙女が、月を侮辱した罪で月に住んで永遠に罪を償わなければならなくなった。
中国・韓国:ウサギ
中国と韓国でも月にウサギがいると伝承されており、餅ではなく不老不死の薬をこねているのだといいます。
日本人ならお馴染みの「月にうさぎがいる」はどこから来たのでしょうか?
日本では月にウサギがいる理由
日本人は、月の模様を「ウサギが臼と杵で餅をつく姿」と見ます。
これはインドのジャータカ神話(本生譚)という、紀元前1世紀ごろに書かれた釈迦の前世の物語が由来です。
このお話は仏教伝来とともに中国経由で日本にももたらされます。
そして、平安時代末期に書かれた「今昔物語」に紹介され広まったのです。

インドの森で、ウサギとキツネとサルが仲良く暮らしていました。
ある日、お腹をすかせた老人がやって来て「食べ物を恵んでください」と言いました。
キツネは川で魚を取り、サルは木から果物を取って来ましたが、ウサギは何も取れません。
そこでキツネとサルに火を起こしてもらって、「私の肉をどうぞ」と飛び込みました。
ウサギの真心に驚いた老人は、実は仏様の帝釈天でした。
帝釈天は献身的なウサギの姿を月に残したので、月の模様がウサギになった。
このウサギは人間になる前の釈迦の姿だっとも言われています。

月にうさぎがいる理由は、こちらの記事で詳しく紹介しています。
月にうさぎがいる理由は仏教の説話がネタ元!うさぎは釈迦の前世の姿
月の模様の正体は「海」
月を望遠鏡で見たとき、黒く、広く、平らに見える部分があります。
これがまるで海のように見えることから、「月の海」と呼ばれます。

「海」とは、玄武岩質の溶岩が地下から流れ出た部分で平原になっています。
高地の地質に比べて黒っぽく、太陽からの光の反射が少ないために影のように見えるのです。





やがて固まって黒い玄武岩になる。

発見されている月の海には、それぞれ名前がつけられています。
月の海は月面に大小存在し、最大の海である嵐の大洋は直径2500kmを超えます。
月の直径が約3500kmですから、かなり大きいですね。
月の模様は世界のどこからでも同じ
月の模様は「海」からできていることがわかりました。
しかし、地球のどこから見ても、見え方は同じなのでしょうか?

月は地球に対して、常に同じ面を向けています。
月の裏側は地球からは見えません。
なぜでしょうか?
月がいつも同じ面を地球に向ける理由
月は地球のどこから見ても、模様は同じ。

公転:月が地球の周りを約27.3日かけて回ること
自転:月自身も約27.3日かけて回っていること
その結果、常に月は地球に同じ面を向けながら地球を回ることになります。
公転と自転の周期が同じであるため、いつも同じ面しか見えないのです。
【月の裏側はどうなってるの?】
地球からは見えない月の裏側は、表面よりクレーターがたくさんあります。
地球から見える表面は、地球に守られているため隕石があまり衝突していません。

だからボコボコとした無数のクレーターが残されているのです。
同じ日の同じ時間に違う場所で月を見たら?
もし同じ日の同じ時間に、違う国で月を見た場合、月の形は一緒なのでしょうか?

同じ日の同じ時間なら、月の形は世界のどこから見ても全く一緒です。
もし日本で満月が見えたとしたら、オーストラリアでも満月が見えます。
しかし、オーストラリアの満月は日本の満月とは上下左右が逆に見えます。

北半球と南半球とでは、反対側の半球にいる人が見ている月を逆立ちして見ている状態。
北半球では月は右から太り、右から欠けていきます。
南半球では月は左から太り、左から欠けていきます。
このように、同じ月でも北半球と南半球とでは月の見え方が違うのです。
月の模様を何かに見立てるのは、世界中の人間に共通する本能なのでしょう。
それぞれに国の信仰や神話などに影響され、月の模様はいろんなものに見えます。
国が変われば文化も変わる。
ウサギがワニにやロバにもなるのは面白いですね。
満月を見るときには、ウサギ以外にも見えるか試してみましょう。