カマキリの足の数は6本!カマは獲物を取るために進化した前足です

カマキリの足を数えるとき、カマは手なのか足なのかで迷いがち。

カマ吉
カマキリの足の数は6本だよ!

実はカマキリのシンボルとも言えるカマは、手ではなく前足が変形したもの。

それは肉食昆虫であるカマキリが、獲物を取るために前足を進化させた結果なのです。

この記事では、カマキリの足の数が6本である理由だけでなく、カマの知られざる秘密をとことん解説しています。

これさえ読めば「カマは手ではなく足だ!」ということが納得いくはずです。

ぜひ最後までご覧ください。

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歩くときに使う前足の驚きの機能とは?

カマキリのカマはまるで手のように獲物を捕らえます。

しかし、これは前足が特別に発達したもで、カマキリの足の数は6本です。

さらにはカマは歩くのに邪魔になるから、4本足でしか歩かないと思われがちです。

しかし、それは大きな誤解。

カマ吉
6本足でも歩けるんだよ!

6本足で歩いている、カマキリの動画をご覧ください。↓

まぎれもなく6本足で歩いていますが、カマで歩いているわけではないのです。

カマ状の前足には、歩くための機能が隠されています。

それはカマのさらに先にある細い部分、「ふ節」を使って歩いているのです。


ふ節はカマキリの6本全ての足についています。

その構造は下面は肉球状に膨らんでおり、それは滑らかな面に止まることができるためです。

先は鋭い爪になっており、凹凸の激しい面などにも確実にとまれるようになっています。

正常なふ節は5節ありますが、事故などで脱落した場合は脱皮時に再生することが多いです。

カマキリの前足は体に近い方から順に、き節、てん節、たい節、けい節、ふ節からできています。

カマのように見える部分であるたい節とけい節の内側には、鋭いトゲがたくさん生えています。

このカマで獲物をがっちり挟み込むと、トゲが獲物に刺さり、もがいても決して逃げられません。

【カマキリのカマに挟まれると痛い?】

カマキリのカマに、指などが挟まれると少しちくっとします。

だからと言って、鎌の内側にあるトゲが刺さって血が出るようなことはありません。

カマ吉
でも油断は禁物!!

実は口でかまれてたときの方がずっと痛く、血が出ることもあるので注意しましょう。

カマキリの足の数が6本なのは昆虫の掟

カマキリの足の数は6本です。

実は、カマキリに限らず昆虫の足の数は6本と決まっています。

昆虫には以下の共通の特徴があります。

・足が6本ある
・体が頭・胸・腹の3部位に分かれている
・翅が4枚ある

昆虫は地球上で一番種類が多い生き物と言われており、名前がついているだけで100万種類もいます。

だからもちろん例外もありはします。

ですが、私たちが一般に虫と呼ぶものが、全て昆虫とは限りません。

脚が8本あるクモやたくさん脚があるムカデは大きく分けると虫です。

カマ吉
でも、6本足じゃないから昆虫じゃないよ!

【なんで昆虫の足の数は6本なの?】

昆虫の祖先の体は、たくさんの節(体節)がつながってできていました。

それぞれの体節ごとに足が2本ずつあり、まるでムカデのようにたくさんの足があったのです。

やがて体節は役目ごとにまとまります。

頭部の足は触覚や口の一部になり、腹部の足は退化していきました。

最終的に残った足は、胸の部分に6本!

こうして現在の昆虫の体になったと考えられています。

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まるで神業!華麗なるカマさばきの秘密

カマキリは肉食の昆虫です。

カマ吉
好物はチョウやハチ、アブ、セミやクモだよ!

成虫になると自分より大きな、カエルやトカゲも食べることがあります。

狩の仕方は待ち伏せ型で、自分から獲物を追うことはしません。

葉っぱや花の陰に身をひそめて、じっと獲物を待つ堅実派なのです。

カマキリの目は獲物まで距離を正確に測ることができます。

さらには、カマが届くところに獲物がくるとピントが合うのです。

そうしてカマキリに気づかずに近づく獲物がいると、素早い動作でカマを振り下ろし一瞬で仕留めます。

驚くことに、このときカマの先にある「ふ節」は邪魔になるので折りたたんでいます。

そうすることで、カマの内側のトゲがしっかり獲物に刺さるからです。

【カマキリは生まれながらの肉食ハンター】


カマキリの幼虫は、ただ翅がないだけで成虫と同じ形をしています。

だから幼虫のときもカマを使って、アブラムシやショウジョウバエなどの小さな獲物を捕まえて食べます。

成長すると徐々に大きな獲物を取るようになり、時には自分より大きな獲物も取ることがあるぐらいです。

カマ吉
カエルだって食べちゃうよ!

大きな獲物を捉えたカマキリは、枝にぶら下がって餌を食べます。

その理由は、獲物が足場を失うため激しく暴れないから。

しっかりと鎌で抱えて、安定した姿勢で獲物を味わいます。

実は綺麗好き!自慢のカマでクリーニング

カマキリはとても綺麗好きです。

実は、カマキリのカマは獲物を捕らえるためだけでなくクリーニングにも大活躍します。

食事した後、カマキリのカマや頭は獲物の汁でベタベタです。

カマ吉
ほおっておくとカビや病気の原因になるよ!

そのため食事を終えたカマキリは、カマに生えたトゲで頭や顔をこすってクリーニングします。

そして汚れたカマは口でなめて綺麗にするのです。

特に、足のお手入れは丁寧に行います。

「ふ節」の膨らんだ部分がが汚れていると、ツルツルした葉の上などにとまりにくくなるからです。

なので常日頃からメンテナンスを欠かせないのです。

【威嚇でダメなときのカマキリの必殺技とは?】

カマキリは肉食性の昆虫の世界では強い部類に入ります。

でも、大きなクモや鳥などには敵いません。

そうした自分よりも強い天敵に出会った時、カマキリは翅を広げて威嚇します。

それでもダメなとき、カマキリは信じられない必殺技を使います。

カマ吉
死んだふりをするんだ!

カマキリは威嚇もすれば死んだふりもする、なかなかの役者なのです。

拝むようにも見えるカマキリの別名とは?

カマキリという名前は、その見た目からついた名前です。

カマ吉
カマを持ったキリギリス。
それでカマキリだよ!

キリギリスとは類縁は遠いのですが、見た目がキリギリスの仲間に似ています。

ですが、カマキリは日本の一部の地方では、「拝み虫」と呼ばれることも。

これはカマキリが対のカマを重ね合わせて前に突き出している様子が、お祈りをしているように見えるからです。

ちなみにカマキリは英語で「Praying mantis」と呼ばれます。

Pray=お祈りする
mantis=カマキリ

実はmantisという言葉は、ギリシャ語で預言者を意味する”mántis”に由来しています。

やはり日本だけでなく西洋でもカマキリの姿に祈りを感じたんでしょうね。

カマキリはやはりカマがあってこそ、カマキリなのです。

カマキリの足の数は、カマも数に入れていいか迷いがちです。

まるで手のように獲物を掴み、体のお手入れまでできるなんて足とは思えません。

ですが、カマは前足で足の数は6本です。

だから威嚇するカマキリを見て、「腕を振り上げてる!」なんて言ってはいけません。

前足を持ち上げて威嚇しているが正解です。

 

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