【鬼滅の刃】禰豆子が醜女(しこめ) な理由は古事記にあった

鬼滅の刃 アニメ第8話、初めて愈史郎ゆしろう禰豆子ねずこに出会ったその瞬間です。

「鬼じゃないかその女は しかも醜女しこめだ」

愈史郎のこの言葉に炭治郎は戸惑います。

「しこめ・・・しこめ?みにくいってことか?」

醜女の意味は2つあります。

1:容貌の醜い女
2:黄泉の国にいたという、容貌の醜い女の鬼

炭治郎は愈史郎が禰豆子をブス呼ばわりしたと思って反論します。

でもそれなら、わざわざ「醜女」というわかりにくい言葉を使う必要はありません。

愈史郎が禰豆子を醜女と言ったのは、黄泉の国にいたという女の鬼を指しています。

実は醜女という言葉が最初に記されたのは、日本最古の書物「古事記こじき」です。

この記事では、愈史郎が禰豆子を指して言った「醜女」の奥深い意味について解説します。

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愈史郎はなぜ禰豆子を「醜女(しこめ)」と言ったのか?

愈史郎に醜女と言われた禰豆子

鬼滅の刃2巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用

禰豆子を「醜女しこめ」呼ばわりされて、納得がいかない炭治郎。

なんとか愈史郎に禰豆子が美人だと認めさせたい!!

「醜女のはずないだろう!!よく見てみろ、この顔立ちを 町でも評判の美人だったぞ禰豆子は」

しかし、愈史郎はそんな炭治郎の言葉に全く耳を貸しません。

というのも、愈史郎は禰豆子の容姿が醜いという意味で「醜女しこめ」と言ったのではないからです。

「醜女」という言葉が最初に登場したのは、日本最古の書物である古事記こじき

では、古事記における「醜女」の意味をわかりやすく解説しましょう。

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まさかの古事記!醜女の奥深い意味

「醜女」という言葉が最初に記されたのは「古事記」です。

古事記とは、7世紀後半から8世紀にかけて書かれた日本最古の歴史書。

なんと日本という国が神様によって作られる神話から始まります。

そんな由緒正しき「古事記」の中に、醜女が登場しているのです。

それでは黄泉の国に住むという、恐ろしい予母都志許売よもつしこめ(=醜女)について順に解説します。

日本を生んだのは夫婦の神様だった

日本を生んだ神様はイザナギとイザナミ

昔々のことです。

イザナギ(伊邪那岐)とイザナミ(伊邪那美)という、夫婦の神様がいました。

イザナギは男の神様=夫
イザナミは女の神様=妻

2人は互いに愛し合い、日本という国を生みだし、また多くの神様も生み出しました。

しかしそんな仲睦まじい2人に悲劇がおきます。

イザナミは火の神である火之迦具土神ヒノカグツチノカミを出産するときに火傷をしてしまいました。

なんとこの火傷が原因で、イザナミは死んでしまうのです。

愛する妻を追って黄泉の国へ

イザナミを追って黄泉の国に行くイザナギ

愛する妻を亡くしたイザナギは悲しみが止まりません。

そこで愛する妻を追いかけて、黄泉の国へ行きます。

黄泉の国とは、死者の世界のことです。

イザナギは黄泉の国で愛する妻・イザナミを見つけ出し、「一緒に帰ろう」と言います。

しかしイザナミはすでに黄泉の国の食べ物を食べてしまったため、戻ることができません。

愛しい夫のために帰りたいと思ったイザナミ。

黄泉の国の神様に交渉してくるから待っていてくれ言います。

でもその間、「決して私を見ないと約束してくれ」とも言いました。

お約束!見ないでと言われると見てしまう

黄泉の国で変わり果てたイザナミの姿を見たイザナギ

「見るな」と言われるとよけいに見たくなるもの。

なかなか帰ってこない妻を待ちきれず、イザナギは自分の頭につけていたくしの歯を折って火をつけます。

そこで浮かび上がった光景に、イザナギはびっくり!!

体が腐ってウジ虫にまみれ、8種類もの雷神がなり出ている変わり果てた妻のイザナミがいたからです。

み〜た〜な〜!!(怒)

見るなとあれほど約束したのに、見られたくない醜い姿を見られて怒るイザナミ。

驚いた夫のイザナギは謝ればいいのに逃げ出してしまいます。

壮絶な夫婦喧嘩!妻がよこした刺客は醜女

古事記に出てくる醜女は足が速くて食いしん坊

夫を逃してたまるか!

イザナミは予母都志許売よもつしこめという、黄泉の国の恐ろしい醜女に夫・イザナギを追わせます。

この醜女、めちゃくちゃ足が速いんですよ。そして、食い意地がはっています。

追いつかれそうになったイザナギは、髪に巻きつけていた黒御縵くろみかずらという蔓草つるくさを投げます。

すると蔓が勢いよく茂り、ブドウの実があちこちになります。

醜女は追いかけることを忘れて、ブドウをむしゃむしゃ食べる食べる。

その隙にイザナギは必死で逃げます。

醜女はタケノコを食べている間にイザナギを取り逃す

しかしブドウを食べ終わり、ふと我に返った醜女は猛ダッシュ!!

イザナギを追いかけて追いついてしまいます。

またもやピンチのイザナギは、髪の右側に刺してあった櫛を投げます。

すると今後はボコボコとタケノコが生える生える。

醜女がタケノコをむしゃむしゃ食べている間に、イザナギは醜女から逃げ切りました。

【鬼滅の豆知識】

鬼滅の刃は候補となるタイトルがいくつかありました。

鬼滅の刃のタイトル候補

鬼滅の刃1巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用

その候補の中には、「鬼狩りカグツチ」と「炭のカグツチ」もあったのです。

このカグツチとはイザナミが死ぬ原因となる火の神「火之迦具土神ヒノカグツチノカミ」のこと。

実はタイトル候補だったんですね。

愈史郎が禰豆子を醜女と言った本当の理由

愈史郎は古事記の予母都志許売よもつしこめを知っていたのです。

その証拠にセリフにはこうあります。

禰豆子を醜女呼ばわりする愈史郎

鬼滅の刃2巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用 

「鬼じゃないかその女は しかも醜女しこめだ」

まず禰豆子を見て鬼だと判断します。

さらには竹を口にくわえているいる姿を見て、「しかも醜女だ」と言ったのです。

鬼の中でもただの鬼ではない。

まるで古事記に出てくる予母都志許売よもつしこめじゃないか!

このようなツッコミだったのでしょう。

しかし幼い頃から家業の炭焼き小屋を手伝う炭治郎は、古事記に精通しているわけがありません。

愈史郎の皮肉ともユーモアとも取れる「醜女」という表現にピンとこなかったのです。

実は、鬼滅の刃と古事記には驚くような共通点がたくさん!こちらの記事で詳しく紹介しています。

知れば100 倍面白い!鬼滅の刃と古事記の驚きの共通点

甘露寺蜜璃の隊服は縫製係の罠!でも本当の理由は古事記にある

【古事記は天武天皇の危機感から作られた】

古事記は天武天皇の命令で作られた日本最古の歴史書

古事記とは、712年に完成した日本最古の歴史書です。

そのはじまりは、天武天皇がそろそろ日本の歴史書を作らなければ、真実が後世に残らないと感じたことからでした。

そこで天才的な記憶力を持つ稗田阿礼ひえだのあれに、それぞれの豪族の家に残っている日本の歴史書を読み込ませます。

ところが天武天皇はお亡くなりになり、日本初の歴史書つくりは中断に。

そこで元明天皇がこの日本最初の歴史書を完成させるよう太安万侶おおのやすまろに命じます。

ズバ抜けた文才の持ち主である太安万侶は、稗田阿礼が暗記した日本の歴史を1冊の本にまとめました。

これこそが現代にまで残る「古事記」です。

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愈史郎が禰豆子を「美人」と言った理由は?

禰豆子を「醜女」呼ばわりしたとき、愈史郎は炭治郎と禰豆子を信頼していません。

愛する珠世との2人だけの時間を邪魔する者は、全て目障りな存在。

ちょっとでも気に食わない発言をすれば、愈史郎は容赦無く炭治郎を殴っています。

そんな愈史郎が、禰豆子を「美人」と認めた心の変化について解説します。

珠世様との2人の時間を邪魔するな!

愈史郎は珠世が作った唯一の鬼

鬼滅の刃2巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用 

愈史郎は珠世が200年かけてできた唯一の鬼です。

病気で死ぬ運命にあった愈史郎の、鬼になっても生きながらえたいという願いを珠世が叶えました。

以来2人はずっと一緒に打倒・鬼舞辻無惨を目指し、ひっそりと生きてきました。

愈史郎にとって珠世は世界で最も美しく愛しい人。

ゆえに何よりも大切なのが珠世と2人だけの時間なのです。

どんな事情であれ、それを邪魔する者は許せないという心境です。

邪魔者だけど志を同じくする仲間

炭治郎と珠世の禰豆子を人間に戻すために交わした約束

鬼滅の刃2巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用 

禰豆子を人間に戻すために、炭治郎は珠世に協力することを約束します。

炭治郎は血肉を食らわずに生きる特殊な鬼・禰豆子の血液と、鬼舞辻無惨に近い鬼の血を提供する。

珠世と愈史郎は、それらの血液を調べて鬼を人間に戻す薬を作る。

これは生身の人間である炭治郎にとって、命がけの約束です。

そんな約束を交わした直後に、2人の鬼に襲われます。

鬼と戦う炭治郎に力を貸す

鬼舞辻直属の配下、十二鬼月を名乗る2人の鬼が炭治郎達を襲いかかります。

狙いは炭治郎の命です。

巻き添えを食らった形で愈史郎も珠世も大怪我をします。

しかし2人は鬼なので、死ぬことはありません。

思うように戦えない炭治郎に苛立った愈史郎は、自分の視覚を貸します。

炭治郎に視覚を貸す愈史郎

鬼滅の刃2巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用 

愈史郎に貸してもらった視覚のおかげで、炭治郎はなんとか1人の鬼を退治します。

もう1人の鬼は、禰豆子と珠世が協力して退治に成功します。

炭治郎に禰豆子、珠世と愈史郎は鬼と人間という垣根を超えて、仲間として一緒に戦い勝利しました。

愈史郎が炭治郎と禰豆子に心を開く

4人が鬼との死闘を終えた後のこと。

禰豆子が繰り返し珠世に抱きつき、愈史郎の頭をなでます。

禰豆子に人間と認められ涙する珠世

鬼滅の刃3巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用 

これは禰豆子が人間をみたら家族と思うよう暗示がかけられているからです。

鬼である珠世は、禰豆子に人として認められたことに感謝の涙を流します。

鬼舞辻無惨を倒すため、それぞれの道へと別れるその時です。

いつ命を落とすかわからない炭治郎に、誤解させたままは気の毒だと思ったのでしょう。

また愛する珠世の心を救った禰豆子への感謝の印に、愈史郎は言います。

「お前の妹は美人だよ」

愈史郎が禰豆子を美人と認める瞬間

鬼滅の刃3巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用 

愈史郎はかなりの毒舌家。

珠世こそ全ての彼にとって、その他の女性を美人だなんて口が裂けても言わないはずです。

しかし、そもそも愈史郎は禰豆子の「容姿が醜い」という意味で「醜女」と言った訳ではありません。

「お前の妹は美人だよ」

このセリフを言った本当の理由は、炭治郎と禰豆子に対する敬意と仲間と認める気持ちからです。

命を賭けて妹を鬼から人間に戻そうとする炭治郎に心を開いた瞬間だったのです。

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