産屋敷と鬼舞辻無惨は同じ一族!その因縁関係は日本神話がモデル

鬼殺隊の当主を代々務める産屋敷家にとって、鬼の始祖・鬼舞辻無惨は宿敵です。

鬼舞辻が鬼となったのは、はるか昔の平安時代のこと。

それから千年以上もの間、鬼舞辻を撃つことに産屋敷家は命を燃やしているのです。

しかし驚くことに、人間だったときの鬼舞辻は産屋敷の血族でした


随分と血が薄くなったとは言え、97代目当主・産屋敷耀哉うぶやしきかがやと鬼舞辻は今もなお血が繋がっています。

この記事では、産屋敷と鬼舞辻の因縁をはるか昔に遡って解説しています。

また同じ血を分けた者同士が争うようになった理由や、この物語のモデルとなる日本神話もご紹介しましょう。

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産屋敷と鬼舞辻無惨は血を分けた間柄

産屋敷家は千年以上に渡って、鬼の始祖である鬼舞辻無惨を倒すことを使命としています。

この戦いの元凶は、はるか昔の平安時代に起きました。

産屋敷家は生まれてくる子供が病弱で次々と死ぬという不幸に見舞われたのです。

まるで何かの法則のように、後継となる者がこの世からいなくなってしまう。

いよいよ産屋敷一族が絶えそうになったとき、神主から信じがたい事実を耳にします。

鬼舞辻無惨と対面する産屋敷

鬼滅の刃16巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用

産屋敷家に生まれてくる子供が、次々に死ぬ理由が「呪い」だと言うのです。

同じ血筋から鬼が出ている。その者を倒す為に、心血を注ぎなさい。そうすれば一族は絶えない。

この鬼こそが、鬼の始祖・鬼舞辻無惨。

平安時代に生まれた人間だった鬼舞辻の生まれは、まさかの産屋敷家だったのです。

鬼舞辻は鬼となって千年以上の生きながらえ、多くの人の命を奪っていきます。

産屋敷家はそんな一族の汚点である鬼舞辻を倒すべく、鬼殺隊を結成し戦ってきました。

鬼滅の刃|双子のように似ている産屋敷耀哉と鬼舞辻無惨

鬼滅の刃16巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用

そして産屋敷家の当主は97代目・産屋敷耀哉うぶやしきかがやとなりました。

血が薄くなったとは言え、同じ一族である産屋敷と鬼舞辻無惨は顔が双子のように似ています。

二十歳近くなった産屋敷耀哉は、いよいよ一族にかけらた呪いが発動しました。

美しい顔はまるで焼けたようにただれ、それが全身に広がっていったのです。

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産屋敷家にかけられた呪いの実態

一族から鬼を出したがために、恐ろしい呪いをかけられた産屋敷家。

この呪いで生まれてくる子供は、必ず若くして死ぬ運命にありました。

男の子は、一人を残して全員死にます。そして生き残った一人も、30歳まで生きられません。

たとえ女の子に生まれたとしても、13歳までに結婚して名字を変えない限り、病死か事故死します。

鬼滅の刃 産屋敷耀哉

鬼滅の刃8巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用

最も苦しい運命にあるのが、産屋敷家で生き残るたった一人の男の子です。

父親が30歳を前に死んでしまうことから、幼くして鬼殺隊の当主として指揮を取らねばなりません。

また20歳を過ぎれば、全身がただれていく不治の病に絶えながら確実に忍び寄る死と戦う日々。

鬼滅の刃 産屋敷耀哉

鬼滅の刃16巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用

97代目当主・産屋敷耀哉の父親は、多くの鬼殺隊の剣士達が死んでいくことに絶えられませんでした。

さらには自分にも死忍び寄る死の恐怖に耐えかねて、19歳という若さで自殺しています。

この心も体も蝕む恐ろしい「呪い」が原因の病については、別記事で詳しく解説しています。

お館様の病気は千年以上前に産屋敷家にかけられた呪いが原因

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鬼舞辻無惨が鬼の始祖となった経緯

たった1人の鬼が生まれたがために、千年以上に渡って多くの命が犠牲になりました。

その始まりこそが、鬼舞辻無惨です。

鬼舞辻は産屋敷家の一族として、平安時代に生まれます。

鬼舞辻は母親のお腹の中で、何度も心臓が止まり、生まれたときには息をしていない状態。

それは生まれるというより、死から始まった人生だったのです。

鬼滅の刃 鬼舞辻無惨 出生

鬼滅の刃23巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用

医者に死産だと言われた鬼舞辻は、火葬される寸前で産声をあげます。

しかし、二十歳までに死ぬと言われるほど病弱で、鬼舞辻は寝たきりの生活を強いられていました。

死の恐怖と自由の聞かない体にイライラする日々。

そんな鬼舞辻を少しでも生きながらえさせるため、医者は苦心して薬を施します。

鬼滅の刃 鬼舞辻無惨を鬼にした医者

鬼滅の刃15巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用

献身的な医者の手当を受けても、病気が一向に治らないことに腹を立てた鬼舞辻。

怒りに任せて、その善良な医者を殺してしまったのです。

しかし、これが大変な誤算でした。

鬼舞辻の病状はみるまに改善し、人間の域を超えた強靭な肉体を手に入れたのです。

すると途端に人の血肉を欲するようになり、鬼舞辻は人を食うようになります。

医者の作った治療薬が、人間だった鬼舞辻を鬼の体質にしたのです。

鬼滅の刃 鬼舞辻無惨

鬼滅の刃15巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用

もともと冷淡な性格だった鬼舞辻、人を食らうことに良心の呵責はありません。

ただ1つ問題は、日光の下を歩けないこと。

永遠の命を手に入れられたにも関わらず、自由に太陽の下を動けない苛立ちは募ります。

医者を殺してしまったがために、太陽を克服する方法がわからぬまま千年という時間が経ったのです。

無惨のトラウマとなる過去と鬼になった背景は、別記事で詳しく解説しています。合わせてご覧ください。
鬼舞辻無惨の過去は病気に怯える臆病者!鬼となっても変わらぬ劣等感

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産屋敷と鬼舞辻の因縁のモデルは日本神話

鬼滅の刃|元々は同じ血族だった産屋敷と鬼舞辻

鬼滅の刃16巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用

同じ血を分けた一族から、鬼を出したがために呪われた産屋敷家。

その呪いの元凶となった、鬼の始祖・鬼舞辻無惨。

この産屋敷と鬼舞辻の千年以上にわたる戦いは、意外なことに日本神話にそっくりなエピソードがあります。


実はこの2人の因縁対決は、日本を作った夫婦の神様「イザナギ」と「イザナミ」の戦いそのもの。

仲睦まじかったイザナギとイザナミが、決別することとなる激しすぎる夫婦喧嘩を紹介しましょう

イザナギとイザナミの熾烈な夫婦喧嘩

イザナギとイザナミはもとは兄妹ですが、夫婦となった仲の良い神様です。

二人は力を合わせ、日本という国を作り、たくさんの神々を生みました。

しかし妻のイザナミが火之迦具土神ヒノカグツチノカミを産んだとき、大火傷を負って死んでしまいます。

この悲劇が、愛し合う夫婦を憎しみ合う仇へと変えてしまったのです。

イザナギは死んだ妻を求め黄泉の国へ



死んだ妻に会いたくて、イザナギは死者の住む黄泉の国まで追いかけます。

そしてイザナギは暗闇の中で妻・イザナミを見つけると、「一緒に帰ろう」とせがみました。

しかし、すでに黄泉の国の食べ物を食べたイザナミは、おいそれとは帰れません。

「黄泉の国の神に帰れるように相談します。その間、私の姿は決して見ないでください。」

愛する妻の頼みならばと、イザナギは「決して見ない」と約束したのでした。

見ないでと言われたら見たくなる

イザナギに醜い姿を見られて怒るイザナミ

暗闇の中で妻のイザナミを待ちくたびれたイザナギ。

つい魔が差して、自分の髪についていた櫛を折って火を灯してしまったのです。

するとそこには、ウジ虫が体からわき出た醜い妻・イザナミの姿が浮かび上がります。

「み〜た〜な〜!!(怒)」

見られたくない姿を見られ、怒り狂ったイザナミは夫・イザナギを殺そうとします。

恐ろしい妻の姿にビビったイザナギは、走って逃げ出しました。

呪いをかけて永遠に戦う因縁

イザナギとイザナミの夫婦喧嘩

イザナミは裏切り者の夫を、本気で殺す覚悟です。

黄泉の国の醜女(女の鬼)や雷神、1500もの軍勢にイザナギを追わせます。

しかし、イザナギも必死で逃げるので追いつきません。

そこで最後はイザナミが腐った体を引きずりながら、追いかけました。

追い詰められたイザナギは、あの世とこの世の境にある境にある黄泉比良坂よもつひらさかに巨大な石を置いて封鎖します。

夫・イザナギが「離婚しよう」と石の向こう側の妻に切り出しました。

すると妻・イザナミの夫への怒りが頂点に達し、世にも恐ろしい呪いをかけます。

「愛しい夫がそのようにするなら、あなたの国の人々を1日1000人絞め殺しましょう。」

その呪いの対抗するため、夫・イザナギは次のように言いました。

「ならば私は毎日15000の産屋を毎日建てましょう。」

この壮絶なる夫婦喧嘩でイザナミがかけた呪いで、人間には寿命ができました。

それ以来、人間は夫イザナギの霊力で生まれ、イザナミの呪いによって死ぬようになったのです。

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イザナギとイザナミにみる産屋敷と鬼舞辻の共通点

日本神話に出てくる夫婦の神様であるイザナギとイザナミは、産屋敷と鬼舞辻の関係によく似ています。

夫・イザナギ妻・イザナミ
この世の神黄泉の国の神
1日1500人産屋を立てる1人1000人殺す呪いをかける
産屋敷耀哉鬼舞辻無惨

イザナギとイザナミに見る、産屋敷と鬼舞辻の共通点を詳しく解説しましょう。

1:もともとは血を分けた同じ一族
2:人の命を奪う呪いをめぐる戦い

1:もともとは血を分けた同じ一族

産屋敷と鬼舞辻無惨は同じ一族

鬼滅の刃16巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用

産屋敷耀哉が鬼舞辻無惨に会った時、衝撃的な告白をします、

君と私は同じ血筋なんだよ 君が生まれたのは千年以上前のことだろうから 私と君の血はもう近くないけれど

鬼である鬼舞辻無惨にとって、血の繋がりなどなんの意味もありません。

しかし憎い仇である産屋敷に湧く感情は、憎しみではなく安堵感と懐かしさでした。

鬼舞辻無惨が人間として生まれたのは、まさかの平安時代です。

同じ血筋であるという産屋敷と鬼舞辻の関係性は、もとは兄妹で夫婦だったイザナギとイザナミに重なります。

2:人の命を奪う呪いをめぐる戦い

鬼滅の刃 産屋敷耀哉

鬼滅の刃11巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用

産屋敷家に生まれる子供は、例外なく病気で30歳までに死にます。

これは千年前に産屋敷一族から鬼を出したために、呪いをかけられたからです。

産屋敷耀哉は「我が一族の唯一の汚点であるお前」と呼ぶその相手は鬼舞辻無惨です。

命に期限を設け、堪え難い苦痛が伴う病気、さらには迫りくる死の恐怖を味合わせる「呪い」。

産屋敷がその呪いを解くには、鬼舞辻を倒す以外に方法はありません。

これはイザナミがイザナギにかけた呪いで「人間に寿命」ができたエピソードに重なります。

千年以上も前に産屋敷家にかけられた呪いについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
お館様の病気は千年以上前に産屋敷家にかけられた呪いが原因

鬼滅の刃のタイトル候補

鬼滅の刃1巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用

鬼滅の刃は日本神話に多大なる影響を受けてできた物語です。

発売される前、鬼滅の刃には以下のようなタイトル候補が複数ありました。

その中には、「鬼狩りカグツチ」「炭のカグツチ」とあります。

このカグツチこそが、イザナミに火傷をさせて死なせてしまった火之迦具土神ヒノカグツチノカミです。

さらには、火之迦具土神ヒノカグツチノカミこそが「ヒノカミ神楽」を使う炭治郎のモデルとなっています。

産屋敷と鬼舞辻の関係性以外にも、鬼滅の刃には日本神話にまつわるエピソードがたくさん。

興味がある方はこちらの記事をご覧ください。新たな発見に驚くこと間違いなしです。
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