岩柱・悲鳴嶼行冥の生い立ちは、不幸が何重にも重なった辛いもの。
それに加えて悲鳴嶼には、鬼から守ろうとした子供達に見捨てられ、守った子供には感謝もされずに死刑囚として投獄された悲しい過去がありました。
悲鳴嶼が人に対して疑ぐり深くなったのも、この時のトラウマがきっかけです。
この記事では、悲鳴嶼行冥の悲しい生い立ちと過去の出来事について詳しく書いています。
ぜひ最後までご覧下さい。
【鬼滅の刃】悲鳴嶼行冥の悲しすぎる過去と生い立ち
鬼滅の刃16巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
悲鳴嶼行冥が抱えていたのは、悲しすぎる過去と生い立ちです。
悲鳴嶼は、赤ん坊の時の高熱で盲目になった上、家族全員を亡くして身寄りがなくなって寺で育ちました。
また自分が寺で面倒を見ていた子供達が鬼に襲われて7人も殺された際には、殺人の疑いをかけられ、死刑囚として投獄されています。
処刑されるはずだった悲鳴嶼ですが、お館様に命を助けられ、鬼殺隊に入りました。
身寄りのなかった悲鳴嶼
悲鳴嶼行冥の生い立ちは過酷。これでもかと言うほど不幸が重なった辛いものでした。
まず悲鳴嶼は、赤ん坊の時に出した高熱が原因で失明。
そして父親は流行り病にかかって亡くなり、母親も出産の時に死亡しました。
更に兄弟達(兄1人と弟2人)は、いずれも病気や飢えで亡くなっています。
こうして家族全員を亡くして1人になった悲鳴嶼は、お寺で育ちました。
寺で子供達を育てていた悲鳴嶼
鬼滅の刃16巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
やがて成長した悲鳴嶼行冥は、身寄りのない子供達を寺で引き取り、一緒に暮らすようになります。
みんなお互いに仲良く助け合い、悲鳴嶼は子供達から先生と呼ばれるほど慕われていました。
血のつながりが無くても1つの家族のような、貧しくても幸せな生活。
悲鳴嶼は、ずっと子供達との暮らしを続けていくつもりでした。
悲鳴嶼や仲間達を鬼に売った子供・獪岳
悲鳴嶼行冥達が暮らしていた地域には、昔から鬼が出るとの言い伝えがありました。
そこで寺では、外出しても暗くなる前に寺に戻り、夜間は藤の花の香りがするお香を鬼除けの為に焚く様にしていたのです。
ところがある日のこと、獪岳と言う名の子供が暗くなっても寺に戻らず、鬼と遭遇してしまいます。
鬼滅の刃16巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
獪岳がそこでとった行動は、鬼への命乞い。自分が助かる為、「寺にいる悲鳴嶼と8人の子供達を鬼に喰わせる約束」をしてしまったのです。
獪岳は香炉の火を消し、寺の中へ鬼を招き入れました。
獪岳について
獪岳は善逸の兄弟子となる存在です。この事件の後に、獪岳は 元 鳴柱 の桑島慈悟郎に弟子入りし、鳴柱の後継者として訓練を受けていました。しかし獪岳は、上限の壱・黒死牟に遭遇した際に命乞いをし、鬼への勧誘を受け入れて鬼になります。この責任をとって桑島慈悟郎は切腹をしました。後に無限城で、獪岳は善逸に倒されることになります。
7人の子供が殺され鬼と戦う悲鳴嶼
突然現れた鬼に襲われ、4人の子供達がすぐに殺されました。
悲鳴嶼は残る4人を守ろうとしますが、3人の子供達は悲鳴嶼の言うことを聞かずに出て行きます。
鬼滅の刃16巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
出て行った3人の子供達は、暗闇の中で鬼に殺されてしまいました。
一番年下の沙代だけが悲鳴嶼の言うことを聞き、悲鳴嶼の後ろに隠れます。
なんとかして沙代を守ろうとした悲鳴嶼は、命がけで鬼に立ち向かいました。
生き物を殴る地獄のような感触。悲鳴嶼が全身の力を込めた拳には、恐ろしいほどの威力がありました。
悲鳴嶼は、この時に初めて自分が強いことを知ります。
鬼滅の刃16巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
こうして悲鳴嶼は夜明けまで鬼の頭を殴り続けたのです。
命を守ったはずが死刑囚に
悪夢のような夜が明けた時、更なる悲劇が悲鳴嶼行冥を襲います。
鬼滅の刃16巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
「あの人は化け物。みんなあの人が、みんな殺した。」
朝になって寺に駆けつけた人たちの前で、沙代が泣きながら言葉を発します。
死んだ鬼の体は既に塵となって消えており、現場に残されているのは殺された子供達の亡骸だけ。
沙代の証言が決め手となり、悲鳴嶼は殺人の罪で投獄。まさかの死刑囚となってしまったのです。
この出来事があってから、悲鳴嶼は人に対して疑ぐり深くなり、心を閉ざしてしまいます。
沙代についての悲鳴嶼の見解
まだ4つの子供だったので、恐ろしい目に遭って混乱したのも無理もない。それでも沙代にだけは「私の為に戦ってくれてありがとう」と言ってほしかった。その一言があれば私は救われた。
【鬼滅の刃】お館様との出会いが悲鳴嶼行冥を変えた
死刑囚として投獄され、処刑を待つばかりだった悲鳴嶼行冥を助けたのは、当時まだ14歳だったお館様でした。
鬼滅の刃16巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
絶望から固く心を閉ざしていた悲鳴嶼に、お館様は優しく声をかけます。
「君が人を守るために戦ったのだと私は知っているよ。君は人殺しではない。」
その言葉に深く心を動かされた悲鳴嶼は、鬼殺隊に入ることを決めるのです。
悲鳴嶼が18歳の時でした。
その後、岩柱となった悲鳴嶼は柱の中心的存在となり、お館様を支え続けました。
【鬼滅の刃】悲鳴嶼行冥の過去の事件の真相
鬼に子供達を7人も殺されたうえに、死刑囚として投獄されてしまった悲鳴嶼行冥。
この事件で最も悲鳴嶼にダメージを与えたのは、子供達に自分は裏切られたと言う強い思いです。
鬼滅の刃16巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
懐いていたはずの子供達に「置き去りにされたり、守ったはずの子供から感謝もされずに殺人犯として扱われたこと」は、悲鳴嶼にとって大きなトラウマ。
しかしこれは、悲鳴嶼の大きな誤解でした。子供達は悲鳴嶼が大好きだったので、裏切るつもりなど全くなかったのです。
ただ1人、獪岳を除いては・・・。
獪岳が鬼に遭遇した背景
鬼を恐れていた寺での決まり。それは暗くなる前に寺に戻ることでした。
それにも関わらず獪岳が夜に鬼と遭遇したのは、寺から追い出されていたのが原因です。
お寺のお金を盗んだことがばれ、他の子供達から責められた挙句の果てでした。
ただし獪岳を追い出した子供達は、悲鳴嶼には「獪岳は寝ている」と嘘をついてたのです。
その為、目の見えなかった悲鳴嶼は、鬼が来るまで獪岳がいないことに気付いていませんでした。
子供達が悲鳴嶼を置き去りにした真相
鬼の襲撃で4人の子供達が殺された後、3人の子供達が悲鳴嶼の静止を振り切り、外へ逃げ出して殺されました。
これについて悲鳴嶼は、頼りにならない自分を子供達が置き去りにしたとのだと思い込みます。
そんな悲鳴嶼が長年の誤解と苦しみから解放されるのは、死の間際のこと。
悲鳴嶼のもとに死んだ子供達が迎えに来て、あの日のことを謝ったのです。
週刊少年ジャンプ2020年18号 鬼滅の刃 第200話©吾峠呼世晴/集英社 より引用
子供達の話から、悲鳴嶼は真実を知ります。
ある子供は武器代わりに外の農具を取りに、ある子供は人を呼びに行こうとしていたことを。
子供達は悲鳴嶼を見捨てたのではなく、目の見えない悲鳴嶼行冥をなんとか守ろうとしていたのです。
このことを死の間際に伝えられた悲鳴嶼は、悲しみが癒え、安らかな顔で旅立って行きます。
悲鳴嶼を死刑囚にした沙代の発言の真相
鬼滅の刃16巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
沙代を命がけで守った悲鳴嶼行冥を投獄に追い込んだのは、寺に駆けつけた人達に言った沙代の証言でした。
「あの人は化け物だ。みんなあの人が殺した。」
ところが沙代が口にした「あの人」とは悲鳴嶼のことではなく、鬼のことだったのです。
しかし鬼の体は朝日を浴びて消滅している上、沙代は事件のショックでまともに話すことができない状態でした。
当時4歳だった沙代。14歳になった今でも悲鳴嶼の容疑を晴らせなかったことを気にしており、謝りたいと思っていることが作中で明かされています。
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