圧倒的な強さを誇る上弦の参・猗窩座は、武器を持ちません。
猗窩座の血鬼術は「破壊殺」という素手で戦う武術の技のみ。
なぜなら猗窩座は人間だったころ、素手のみで戦う正当派の武道家だったからです。
鬼となり無限の命を鍛錬につぎ込むことで、猗窩座の血鬼術「破壊殺」は磨きぬかれました。
猗窩座が鬼になってまでも強さを求めた理由は、人間だった過去に命をかけて守りたいと思った女性がいたから。
その愛する人との美しい思い出をも、猗窩座は「破壊殺」の技の名前に込めていたのでした。
この記事では、猗窩座の血鬼術「破壊殺」の技と、その由来となる悲しい過去を紹介します。
猗窩座の血鬼術「破壊殺」の技一覧
血鬼術の名前 | 技の内容 | 登場箇所 |
破壊殺 羅針 | 自分を中心に陣を展開し、相手の闘気を感知 | 8巻63 /17巻147話 |
破壊殺 空式 | 空中で放った拳撃が地上にいる相手に降り注ぐ | 8巻63話 |
破壊殺 乱式 | 衝撃波が発生するほどの拳による乱打 | 8巻63話/17巻148話 |
破壊殺 滅式 | 一瞬で間合いを詰めて突進し、抜き手を放つ | 8巻64話 |
破壊殺・脚式 冠先割 | 下から相手を蹴り上げる足技 | 17巻148話 |
破壊殺・脚式 流閃群光 | 上に向けて多方向に何度も蹴りつける足技 | 17巻148話 |
破壊殺・脚式 飛遊星千倫 | 相手を蹴り上げて周囲もろとも砕き割る足技 | 17巻149話 |
破壊殺・砕式 万葉閃柳 | 強打で地を砕き、その衝撃波による攻撃 | 17巻149話 |
破壊殺・終式 青銀乱残光 | 同時に百発の超高速の乱れ打ち | 18巻152話 |
破壊殺 鬼芯八重芯 | 両腕から放つ強烈な高速連打 | 17巻148話 |
猗窩座の血鬼術のルーツは素手で戦う「破壊殺」
猗窩座の血鬼術は素手による武術のみ。鬼には珍しく、武器は一切使いません。
それは猗窩座が人間だったころ、己の拳のみで戦う武術家だったことに由来しています。
悪びれていた自分を生まれ変わらせてくれた恩師のもとで、身につけた武術の名は「素流」。
これが鬼となった猗窩座の血鬼術「破壊殺」のルーツです。
鬼になった猗窩座は人間だった頃の記憶を全て失っています。
しかし猗窩座は100年以上の歳月を鍛錬に当て、「素流」の技を磨き抜くことで血鬼術「破壊殺」を極めました。
猗窩座の過去は親思いの少年だった
鬼滅の刃18巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
猗窩座が人間だったころの名前は狛治。
病気の父の薬代を稼ぐためにスリを繰り返していました。
狛治の腕には罪人の入れ墨が入れられ、大人も失神するような百叩きの刑も受けています。
スリを繰り返すそんな狛治を改心させるべく、父親は自ら首をつって自殺しました。
善人だった父が貧しさから死んだことに、狛治は自暴自棄になります。
「破壊殺」の由来は素手で戦う武術「素流」
鬼滅の刃18巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
世の中の全てに苛立っていた狛治は、気に入らない大人を見ると喧嘩ばかりしていました。
そんな狛治が大人7人を相手に素手で戦い、殴り倒した日のことです。
「大人相手に武器も取らずに勝つなんてよ。気持ちのいい奴だなあ。」
笑顔で狛治に話かけてきた男がいました。
気が立っていた狛治はその男に殴りかかりますが、逆にボコボコにされてしまいます。
鬼滅の刃18巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
その男の名前は慶蔵といい、「素流」という素手で戦う武術の道場主だったのです。
いくら喧嘩に強い狛治といえども、到底かなう相手ではありません。
その後、身寄りのない狛治は慶蔵の勧めで住み込みの門下生となります。
このことがきっかけで、狛治は武道家として「素流」の技を極める道に進んだのです。
猗窩座の血鬼術「破壊殺」は練り上げられた武術
鬼滅の刃18巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
武道の道に進むことで、罪人から腕のいい武道家として生まれ変わった狛治。
しかし武道家として成長した狛治を待っていたのは、大切な人を心無い人に奪われる悲しい運命でした。
磨き抜いたその拳で復讐のために人を殺め、自己嫌悪と悲しみでどうしようもなくなったその時です。
鬼の始祖・鬼舞辻無惨が狛治を鬼の猗窩座に変えてしまいました。
鬼滅の刃8巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
鬼となり人間の記憶を全て失ったにも関わらず、猗窩座は人間だった過去に強く影響を受けています。
猗窩座の体に幾何学模様があるのは、人間時代の入れ墨の名残です。
また鬼となって100年以上の時間を鍛錬に当て、「素流」の技を極めたのが猗窩座の血鬼術「破壊殺」。
ゆえに猗窩座は武器は持たず、素手で戦う鬼なのです。
猗窩座の過去は、大切な人を自分の弱さゆえに守れなかった悲しい人生でした。
その過去への後悔が、猗窩座の異常なまでの強さへの執着へと変わったのです。
猗窩座の壮絶な過去はこちらの記事で詳しく紹介しています。併せてお楽しみください。
猗窩座の血鬼術「破壊殺」の技と由来を解説
猗窩座の血鬼術「破壊殺」には全部で10種類の技があります。
鬼となった猗窩座は人間時代の記憶を全く失いました。
それでもなお技の1つ1つに、猗窩座は無意識に人間だったころの思い出を込めています。
猗窩座の技とその由来となる悲しい過去を紹介しましょう。
術式展開・破壊殺「羅針」は猗窩座の本気
鬼滅の刃17巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
猗窩座の血鬼術の根幹とも言えるのが、破壊殺・術式展開「羅針」です。
これは猗窩座が本気の戦闘モードに入るスイッチそのもの。
猗窩座が地面をふみ鳴らした瞬間、まるで雪の結晶のような模様が猗窩座を中心に広がります。
相手の強さを認め褒め称えた後、この破壊殺・術式展開「羅針」に入るのが猗窩座のお約束。
これは猗窩座が強い相手との戦いに興奮し、本気で戦う気持ちになった証なのです。
破壊殺「羅針」は闘気を感知するセンサー
鬼滅の刃8巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
破壊殺・術式展開「羅針」は猗窩座を中心に12方向へ陣を展開します。
猗窩座の圧倒的な強さの秘密はこの陣により、相手の体から立ち上る闘気を感知する能力です。
それはまるで羅針盤のように正確に相手の動きを捉え、相手の攻撃を回避します。
また同時に相手の隙を読み取り、磁石が吸い付くがごとく致命傷となる一撃を放つことができます。
破壊殺「羅針」に込められた愛する人への思い
鬼滅の刃18巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
破壊殺「羅針」は猗窩座を中心に雪の結晶のような陣が浮かび上がります。
これは、猗窩座がかつて人間だった時に愛した女性・恋雪の髪飾りの模様です。
恋雪は猗窩座の武術の師匠である慶蔵の一人娘。
体の弱かった恋雪を猗窩座は人間だった時に献身的に看病しています。
恋雪が日常生活が送れるほど元気になった時、師匠である慶蔵たっての希望で恋雪と婚約。
しかしその婚約を妬んだ隣の剣術道場の息子が、井戸に毒を入れて慶蔵と恋雪の命を奪いました。
猗窩座は死に別れた恋雪への思いを、無意識に破壊殺「羅針」に模様に込めたのです。
煉獄を倒した破壊殺「空式」「乱式」「滅式」
猗窩座の血鬼術「破壊殺」は、素手で戦う武術である「素流」の技を極限にまで練り上げたもの。
炎柱・煉獄杏寿郎の戦いを、猗窩座は次のわずか3つの技で制しました。
・破壊殺「空式」
・破壊殺「乱式」
・破壊殺「滅式」
武器を持たず素手で戦うにもかかわらず、煉獄をも倒したその技に迫ります。
破壊殺「空式」
鬼滅の刃8巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
破壊殺「空式」とは、空中で放った拳撃が地上にいる相手に雨のように降り注ぐ技。
猗窩座の首を切るためには、離れて戦っていては不可能です。
この攻撃の雨をかいくぐり、接近する必要があります。
猗窩座の「空式」を受けた煉獄は、瞬時に猗窩座の間合いに入りました。
鬼滅の刃8巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
しかし猗窩座もすぐさま煉獄の闘気を感知し、煉獄の攻撃を見事にかわします。
そして猗窩座は間髪入れずに次の技を煉獄に浴びせかけます。
破壊殺「乱式」
鬼滅の刃8巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
破壊殺「乱式」とは、拳を乱打することで生じた衝撃波による攻撃。
両腕を高速連打することで生まれた衝撃波は、強力な破壊力を保ったまま広範囲に放たれます。
煉獄は炎の呼吸伍の型「炎虎」で対抗しますが、全ての攻撃を防げず深傷を負いました。
鬼滅の刃8巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
猗窩座の放った破壊殺「乱式」で、煉獄の左目は潰れ、肋骨は砕け、内臓が深く傷つきます。
一方、不死身の体を持つ猗窩座は、煉獄の攻撃で受けた傷が瞬く間に完治。
それでも不屈の精神で戦い続ける煉獄に、惜しみない賞賛を与えながら猗窩座はとどめの一撃を放ちます。
破壊殺「滅式」
鬼滅の刃8巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
猗窩座の破壊殺「滅式」は、一瞬で相手の間合いに詰め寄り、拳で強烈な一撃を放つ攻撃です。
煉獄も奥義である炎の呼吸玖の型「煉獄」で応戦します。
しかし、猗窩座の拳が煉獄の腹を突き抜けました。
鬼滅の刃8巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
猗窩座のこの一撃を受けても、煉獄は猗窩座を掴んで離しません。
信じられないような執念で猗窩座の首をなお切ろうとします。
腕が引き抜けない猗窩座と、猗窩座を逃すまいとする煉獄は膠着状態。
両者は互いに全く動けない状態で、どちらが先に命を落としてもおかしくありません。
鬼滅の刃8巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
そんな中で、鬼を死に至らしめる朝日が登り始めます。
猗窩座はやむを得ず、両腕を自ら引きちぎって逃走。
日が当たらない林の中に逃げ込み、猗窩座は九死に一生を得たのでした。
一方、生身の人間である煉獄は、猗窩座から受けた一撃が致命傷となり息を引き取りました。
この猗窩座と煉獄杏寿郎の激戦の様子は別記事で詳しく書いています。
煉獄の炎柱としての生き様とその凄まじい最期はこちらでお読みください。
技の名前が花火に由来する破壊殺
猗窩座の血鬼術「破壊殺」には、その技の名前が花火に由来するものが6つもあります。
・破壊殺 脚式 冠先割
・破壊殺 脚式 流閃群光
・破壊殺 脚式 飛遊星千倫
・破壊殺 砕式 万葉閃柳
・破壊殺 終式 青銀乱残光
・破壊殺 鬼芯八重芯
猗窩座の技に花火の名前が付いているのは、人間だった過去と深いかかわりがあります。
実は人間だったときの猗窩座にとって、花火は特別な思い出があったのです。
猗窩座と花火の深すぎる思い出
鬼滅の刃18巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
猗窩座が人間の狛治だった頃です。
師匠である慶蔵から、思いもよらない提案がありました。
慶蔵の一人娘の恋雪と結婚して、「素流」の道場を継ぐように言われたのです。
狛治は罪人である自分を好きになってくれる人がいたこと、輝かしい未来が開けることを心から喜びました。
期待に胸を膨らませた狛治と恋雪が、二人っきりで花火大会を見に行った夜のこと。
夜空に大輪の花火が打ち上げられている中、狛治は恋雪に誓いました。
「俺は誰よりも強くなって 一生あなたを守ります」
鬼滅の刃18巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
しかし狛治と恋雪の婚約をよく思わない人間がいました。
実は、隣の剣術道場の息子も恋雪のことが好きだったのです。
狛治とまともに戦っても勝てないので、嫉妬に狂ったその息子は井戸に毒を入れました。
こともあろうか、毒で死んだのは狛治ではなく、恋雪と慶蔵でした。
事の真相を知った狛治は、隣の剣術道場の門下生67人全員を素手で殴り殺します。
愛する者を失い、無意味な復讐を遂げ、全身返り血にまみれて呆然と夜道を歩く狛治。
鬼滅の刃18巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
そこに鬼が出たという噂を聞きつけやってきたのは、鬼の始祖・鬼舞辻無惨。
狛治はもう全てがどうでもよくなり、鬼舞辻にされるがままに鬼の猗窩座になったのです。
鬼となった猗窩座は人間だった記憶を全て失いますが、恋雪との約束は心の片隅に常にありました。
誰よりも強くなって、大切な人を守る。
そんな思いから猗窩座は血鬼術の技に、花火の名前をつけたのです。
破壊殺・脚式「冠先割」
鬼滅の刃17巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
猗窩座の破壊殺には脚技も多数あります。
その中の1つ、「冠先割」は下から上に向かって相手を突き上げる技。
わずかにかすっても強い衝撃を受け、負傷を避けられないほどの威力です。
この猗窩座の脚技「冠先割」の由来となっている花火は、「冠菊」と「先割」です。
広島みなと夢花火大会~花火ミュージアム~より引用
冠とは、打ち上げられた花火が夜空で開花した後、長くしだれながら落ちるのが特徴です。
先割とは、花弁の先がパリパリと音をたてて散る花火。
猗窩座の脚式「冠先割」も、蹴りの衝撃が一瞬で消えずにさらに広がります。
炭治郎が、刀で技を受けたにもかかわらず後で鼻から出血したのは、後からくる衝撃波のせいです。
破壊殺・脚式「流閃群光」
鬼滅の刃17巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
破壊殺・脚式「流閃群光」とは、上に向けて多方向に高速で蹴りを入れる技。
猗窩座のこの技は、受け身をとったとしても体ごと吹っ飛ばされます。
水柱・冨岡義勇でさえも、猗窩座のこの技で遠く場外に飛ばされ背中を強打しました。
鬼滅の刃17巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
「流閃群光」という名前の花火は実在しませんが、次々と打ち上げれらる連打の花火がイメージできます。
多方面に乱発される連打の蹴りは、まさに夜空で連続して爆発する花火そのもの。
猗窩座が人間だった頃に恋雪と一緒に見た、花火大会のワンシーンを彷彿させます。
破壊殺・脚式「飛遊星千倫」
鬼滅の刃17巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
破壊殺・脚式「飛遊星千輪」とは、相手を蹴り上げて周囲もろとも砕き割る強烈な脚技。
脚から放たれる衝撃波が蛇行することで、うねりを伴う強力な一撃です。
どんなに受け身をとってかわそうとしても、負傷することを避けれません。
この「飛遊星千輪」の由来となった花火は、「飛遊星」と「千輪」の2種類です。
「飛遊星」とは、打ち上げられ夜空で開いたときに光があちこちに飛び回る花火。
「千輪」とは、打ち上げられた花火が、いくつもの小さい花火が遅れて開く花火。
この2つを組み合わせた脚技「飛遊星千輪」は、軌道の読めない衝撃波を無数に生み出す蹴りだったのです。
破壊殺・砕式「万葉閃柳」
鬼滅の刃17巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
破壊殺・砕式「万葉閃柳」とは、強力な拳で地を砕き、その衝撃波で相手を攻撃する技です。
拳が撃ち抜いた場所から放射線状に広がる衝撃波は、完全に相手を包囲し逃げ場を与えません。
破壊殺・砕式「万葉閃柳」は、その名前にあるように花火の「柳」に由来した技です。
広島みなと夢花火大会~花火ミュージアム~より引用
打ち上げ花火の「柳」とは、別名「しだれ柳」と言われるほど柳の枝が垂れ下がるような形の花火です。
覆いかぶさるように放射線状に広がる花火は、まさに血鬼術・砕式「万葉閃柳」の特徴を表しています。
破壊殺・終式「青銀乱残光」
鬼滅の刃18巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
破壊殺・終式「青銀乱残光」とは、ほぼ同時に百発を乱れ打ちする高速連打。
あまりに速い攻撃のため、目で見て回避することは不可能。
どんな防御をもすり抜け、相手の体に致命傷を負わせる強烈な技です。
破壊殺・終式「青銀乱残光」も花火が由来しています。
広島みなと夢花火大会~花火ミュージアム~より引用
青銀とはその名の通り青色と銀色を意味する花火。
残光とは、花火の外側が消えても中心部のみが明るい光を数秒間保つ仕掛けです。
青色から銀色へと色を変えながら大輪の花火が消えゆく中、芯の部分だけ最後まで輝きます。
破壊殺・終式「青銀乱残光」は猗窩座を中心にして放たれる百発の乱打。
それはまるで青色から銀色に変わる光の矢のようです。
破壊殺「鬼芯八重芯」
鬼滅の刃17巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
破壊殺「鬼芯八重芯」とは、両手で同時に8発の爆発のような強打を放つ技です。
その威力は雷のごとく凄まじく、炭治郎はヒノカミ神楽「灼骨炎陽」で対抗するも体ごと飛ばされました。
この破壊殺「鬼芯八重芯」も花火の「八重芯」に由来しています。
花火で言う「八重芯」とは、花火の中心となる芯が2つあり三重に重なったように見える花火です。
広島みなと夢花火大会~花火ミュージアム~より引用
猗窩座は自分を中心に、8発の強打を同時に放つことから「鬼芯八重芯」と言う技の名前にしています。
鬼となっても猗窩座は、恋雪を思う気持ちが強く残っていたのでしょう。
記憶をなくしてもなお、素流の技を練り上げ、技の名前に花火の名前をつけずにいられなかったのです。
猗窩座は愛する人を守りたくて強くなった鬼
鬼滅の刃18巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
猗窩座が素手で戦う理由は、人間の時に身につけた「素流」の技を磨き上げるためです。
人間だった記憶をなくしてもなお、猗窩座の心には大切な人を失った深い悲しみが残っていました。
「もっと強くならなくては。」
その異常なまでの猗窩座の強さへの執着は、大切な人を守れなかった後悔からでした。
また弱かった過去の自分への責め苦が、弱者への嫌悪となったのです。
鬼滅の刃18巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
鬼となっても猗窩座は、永遠の命を鍛錬につぎ込み、ただひたすら至高の領域を目指しました。
「二度と大切な人を失いたくない。」
そんな思いが根底にあって、猗窩座の血鬼術「破壊殺」は生まれていたのです。
しかし、猗窩座は炭治郎と戦うことで、忘れていた過去の記憶を取り戻します。
鬼となり強さにこだわり、100年以上の歳月を無意味な殺戮を繰り返してきた猗窩座。
そんな猗窩座の最期は自爆でした。
鬼滅の刃18巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
鬼となってまで求めた強さとは、真の強さではなかった。
弱い自分の心を滅することこそが、本当の強さであることに猗窩座は気づいたからです。
人間の心を取り戻した猗窩座は、自分自身を拳で殴りつけ破壊します。
それは猗窩座の心の片隅にあった、愛する人への気持ちが完全に目覚めた瞬間でした。
猗窩座の悲しすぎる過去と予想外の最期は、こちらの記事で詳しく解説しています。併せてお楽しみください。
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