「お館様」こと鬼殺隊の97代当主・産屋敷耀哉は、難病を患っていました。
顔がただれ、徐々に目は見えなくなり、やがて全身へ広がり死に至る恐ろしい病です。
この病気は不思議なことに、産屋敷家の当主が代々患っており、治療法はありません。
なぜならこの病気の原因が、1000年以上も前に産屋敷家にかけられた呪いだからです。
この記事では、産屋敷家の当主が必ず若くして死ぬ「病気」の秘密に迫ります。
恐ろしい呪いによる病気の実態と、その唯一の解決方法について詳しく解説しましょう。
「お館様」産屋敷耀哉の病気の実態
鬼滅の刃10巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
産屋敷家はまるで何かの法則のように、決まって代々若死にする家系です。
男の子は、一人を残して全員死んでしまいます。そして生き残った一人でさえも、30歳まで生きられません。
早死にすることに疑いの余地さえないので、なるべく早くに結婚し、子孫を多く残さねばならない。
さもなければ、一族が根絶やしになってしまうからです。
97代目当主・産屋敷耀哉は男ばかりの兄弟だったので、耀哉以外は全員死んでいます。
鬼滅の刃16巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
20代にさしかかったころから、耀哉の体には徐々に異変が生じました。
まず、顔が徐々にただれ、視力が失われていきます。
そして、顔から始まった「ただれ」は急速に全身に広がり、歩くことができなくなっていくのです。
やがて呼吸さえもままならくなり、吐血を繰り返し、苦しみながら死を待つ状態になりました。
そんな死が迫る苦しい病状でも、産屋敷耀哉にはやり遂げなければならない使命がありました。
病の原因は産屋敷にかけられた呪い
鬼滅の刃16巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
産屋敷家に生まれてくる子供は決まって病弱で、次々と死んでしまう。
この不吉な現象は、産屋敷耀哉が生まれる1000年以上も前の平安時代から始まったことでした。
ただの病気や偶然にしては、あまりにおかしい。それほどまでに、産屋敷家に死がつきまいます。
そして、いよいよ一族が絶えそうになったときに、神主から耳を疑うような事実を聞かされます。
産屋敷家の一族から、鬼が出ている。その呪いで、生まれてくる子供は病気で早死をするのだと。
そして鬼となった者を倒すことで、産屋敷家は絶えることはなくなる。
鬼滅の刃16巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
その鬼とは、鬼の始祖・鬼舞辻無惨のことでした。
驚くことに、もともと鬼舞辻と産屋敷は同じ一族だったのです。
その証拠に産屋敷と鬼舞辻は、双子のように顔がそっくり。
こうして産屋敷家は鬼の始祖である鬼舞辻無惨を倒すべく、鬼殺隊を結成するに至ったのです。
そして1000年以上もの間、産屋敷一族は鬼舞辻を倒すために、持てる全ての力を注いできたのでした。
無惨の人間だった過去と鬼になった背景は、別記事で詳しく解説しています。合わせてご覧ください。
鬼舞辻無惨の過去は病気に怯える臆病者!鬼となっても変わらぬ劣等感
生きながらえるための苦肉の策
一族から鬼を出したため、呪いをかけられた産屋敷家。
しかし鬼の始祖・鬼舞辻無惨を倒すためには、少しでも長く生きる必要があります。
そこでなんとか寿命を延ばすために、産屋敷家では次の2つことを守っていました。
1:代々神職の一族から妻をもらう
2:男の子は13歳まで女の子として育てる
1:代々神職の一族から妻をもらう
鬼滅の刃15巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
産屋敷家の者が若死する原因は、一族から鬼を出したためにかけられた呪いです。
そこで、この呪いの穢れを少しでも払うべく、代々神職の家から妻をもらうようになりました。
すると子供は死ににくくなったのですが、それでも30歳まで生きれる者は誰もいません。
産屋敷耀哉は13歳のときに、17歳の「あまね」と結婚しています。
妻のとなった「あまね」は、どんなに寒い日でも禊のための水浴びを欠かしたことがありませんでした。
2:男の子は13歳まで女の子として育てる
鬼滅の刃6巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
産屋敷家に生まれた男の子は、1人を残して全員死ぬ運命にあります。
女の子の場合は13歳までに結婚して名字を変えない限り、事故や病気で死ぬ運命にありました。
それを言い換えれば、13歳までは女の子なら生きられるということ。
そこで産屋敷家で男の子が生まれた場合、13歳までは女の子として育てるようになったのです。
産屋敷耀哉とあまねの間には、5人の子供が生まれました。
唯一黒髪の女の子は、実は男の子です。後に98代目の当主となる産屋敷輝利哉だったのです。
産屋敷家の五つ子は、見た目はそっくりですが性格が全く違います。見分け方をこちらの記事で詳しく解説しています。
鬼滅の刃|お館様の子供を徹底解説!5人の名前と年齢と見分け方
【男児は女装で悪霊から守る】
男児の女装は日本の古来からあり、天皇家や神道の社家などに実際に見られた風習です。
昔の日本では、乳幼児期の男の子が女の子よりも体が弱いと考えられていました。
その理由を「男の子は悪霊に狙われる」と考えたのです。
だから男の子に女の子の格好をさせて、悪霊から守ろうとしたのが風習となりました。
産屋敷耀哉の最期はまさかの自爆
鬼滅の刃16巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
余命いくばくもない、産屋敷耀哉は病死を待ちませんでした。
鬼の始祖・鬼舞辻無惨を倒すことに、最期の瞬間まで命を燃やすと決めていした。
産屋敷は自ら囮となって、鬼舞辻を屋敷へとおびき出し出したのです。
そして罠とも知らずに屋敷にやってきた鬼舞辻は、産屋敷の命を奪う前に想定外の攻撃を受けます。
それは産屋敷の巧妙な計画の1つで、妻と二人の娘までも道連れに鬼舞辻と自爆したのです。
鬼滅の刃16巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
鬼殺隊97代目当主としての、命をかけた最後の仕事は鬼舞辻を追い込むこと。
鬼舞辻に爆破でダメージを与え、再生を遅らせる仕掛けもした上で、柱を結集させたのです。
それは首を切っても日光に当てない限り死なない鬼舞辻と戦いが、朝までかかると見越してのことでした。
また当主である自分の死は、鬼殺の隊士達の士気があがることまで計算していたのです。
鬼滅の刃16巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
産屋敷耀哉の鬼舞辻を倒すために費やした人生は、23歳で幕を閉じました。
しかし同時に、これは鬼舞辻を倒す最終決戦の始まりにすぎません。
息子である次の当主が必ず鬼舞辻無惨を撃つと信じて襷を渡したのです。
それはもはや信じるというよりも、勝利への揺るぎない確信でした。
産屋敷家にかけられ呪いが解ける時
鬼滅の刃17巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
98代目当主となったのは、わずか8歳の産屋敷輝利哉でした。
父と母、姉二人の死を乗り越えて、産屋敷家の使命を受け継ぎます。
それは1000年も成し遂げられなかった、鬼の始祖・鬼舞辻無惨を倒すことです。
輝利哉は残された二人の姉と三人で力を合わせて指揮をとり、鬼舞辻を追い込んでいきます。
上弦の鬼との激しい戦いで、蟲柱・胡蝶しのぶ、霞柱・時透無一郎らが次々と命を落としていきました。
しかし生き残った柱達に加え、炭治郎達が力を合わせて鬼舞辻と夜明けまで戦い続けます。
鬼滅の刃23巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
鬼殺隊は一丸となり、傷を負いながらボロボロになっても鬼舞辻に食らいつきます。
片腕を失おうが、両目を潰されようが、誰一人として諦めようとはしません。
そしてついに長い夜が終わり、朝がやってきました。朝日が登り始め、形成が一気に変わります。
首を着ることでは死なない鬼・鬼舞辻無惨を、鬼殺隊は朝日で焼き殺したのです。
鬼舞辻が死んだその時、1000年にも及ぶ産屋敷家にかけらた呪いは解かれました。
命を賭けて戦い抜いた柱達の最期は、こちらの記事で詳しく解説しています。合わせてご覧ください。
【鬼滅の刃】胡蝶しのぶの死亡は童磨戦!姉カナエの仇をとる最後
時透無一郎の死亡|真っ二つに斬られても戦った天才剣士の最後
【鬼滅の刃】柱の死亡シーンと生き残り一覧!9人からわずか3人へ
呪いが解けた産屋敷家のその後
鬼滅の刃23巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
数えきれないほどの隊士達の命の犠牲の上に、鬼舞辻から勝ち取った平和。
そんな鬼がいなくなった世には、鬼殺隊はもはや必要ありません。
98代目当主・産屋敷輝利哉は、生き残った水柱・富岡義勇と風柱・不死川実弥に鬼殺隊の解散を伝えます。
そして産屋敷輝利哉は当主としての、最後の仕事をやり遂げました。
命を賭けて鬼と戦う鬼殺の隊士がいたからこそ、この世の平和が実現したのことに心からの感謝を述べたのです。
鬼滅の刃23巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
しかしこの時、産屋敷輝利哉は自分にかけられた呪いが解けた自覚がありませんでした。
むしろ無惨を倒すという使命を終えたことで、産屋敷一族も滅びるのではないかと不安を感じたのです。
そして絶対に生きられないと言われた30歳を過ぎた時、ようやく輝利哉は呪いが解けたと実感することができました。
心から安堵を得た輝利哉は、妻と子、姉二人と一緒に嬉しさのあまり何時間も泣いたそうです。
鬼滅の刃23巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
そして呪いが解けた産屋敷輝利哉は、日本最高齢記録を更新するほど長生きをします。
2022年2月8日現在、日本の最高齢は福岡県にお住まいの田中 カ子(たなか かね)さん。
そのお年は驚愕の119歳です。
産屋敷輝利哉は今まで長生きできなかった先祖の分まで人生を謳歌したのでしょう。
あの可愛らしいおかっぱヘアも、100歳をゆうに超えた今は毛が3本になりました。
鬼滅の刃23巻©吾峠呼世晴/集英社 より引用
あの鬼舞辻無惨との戦いをリアルタイムで指揮した産屋敷輝利哉。
その影の立役者とも言える、珠世が唯一鬼にした愈史郎と猫の茶々丸は現代を共に生きています。
産屋敷輝利哉と愈史郎は、あの戦い以降もずっと連絡をとる仲だったのです。
誰もこの世に鬼がいたことなど信じない今、たった二人だけがあの歴史的な戦いを知っています。
産屋敷輝利哉が何歳まで生きるかは謎ですが、きっと幸せな人生に違いありません。
鬼がいなくなり、死に怯えることなく幸せな毎日を過ごせたのですから。
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